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毎月の給与における所得税の計算方法について解説します

HUPRO 編集部
毎月の給与における所得税の計算方法について解説します

給与明細を見ると、毎月の給与から様々な税金や保険料が控除されています。このうち、所得に応じて控除される所得税について、どのように計算するかご存知ですか?本記事では、給与計算について理解したい方に向けて、毎月の給与における所得税の計算方法について解説します。

所得税の計算方法

個人の一年間の収入である所得に対してかかる所得税。所得税については以下の式で求められます。

課税所得金額 × 税率 - 税額控除 = 所得税

そして給与所得の方の場合は、この課税所得金額については、給与の総支給金額から非課税である通勤手当などを除いた金額のから以下のように求めます。

給与所得の金額 = 給与収入金額 - 給与所得控除額

給与所得控除とは、会社員が必要経費の計上を認められないことから、収入金額に応じて決められた金額を一律で控除するものです。

このように、所得税は収入から所得の控除を引いて、さらにそこから税額控除金額を差し引いたものに対し一定の税率で課される税金です。

本来であれば、所得税は所得のある人が税務署に申告するのですが、仮に給与所得者が全員確定申告をするようになると、税金の業務に係る負担が莫大になり、税務署がパンクしてしまいます。

そこで会社員などについて、企業が給与から差し引く形で源泉徴収を行っています。

所得税として給与から引かれる源泉徴収税

源泉徴収とは、所得税の概算金額を毎月従業員から源泉徴収として天引きし、翌月10日までに納付しています納付する仕組みです。

ただし毎月の納付では、正確な所得金額に応じた所得税が算出されていませんので、会社員をはじめとする給与所得者については、12月に年間所得が確定してから年末調整を行い差額を調整しています。

なお、給与が支給されない弁護士や税理士などの外部の方への報酬についても、法人であれば源泉徴収が義務となっていますが、社内の従業員でない人に対しては年末調整が行われません。これらの人々は確定申告でその差額を自ら調整することになります。

源泉徴収税の金額が決まる仕組み

源泉徴収税の金額が決まる仕組み

源泉徴収を行うためには、まず課税所得を求める必要があります。
毎月の所得から源泉徴収を行うには、給与から社会保険料を引いた金額を「給与所得の現前徴収税額表」に当てはめて求めます。

出典:国税庁WEBサイト 令和2年分 源泉徴収税額表)分 源泉徴収税額表 より一部抜粋

例えば、月額給与の社会保険料控除後の金額が10万円の人の源泉徴収額は以下の通りになります。

扶養控除等申請書の提出がある場合は甲の欄、未提出の場合は乙の欄を確認します。
扶養者が0人の甲欄適用者の場合は 720円
扶養者が1人以上の甲欄適用者の場合は 0円
乙欄適用者の場合は 3600円

本人が寡婦・寡夫や勤労学生、障害者に該当する場合、及び扶養親族が障害者に該当する場合などには扶養親族数にさらに1を足した数で税額表を参照しますので注意してください。

源泉徴収額表は、月額表だけでなく日額表、そして賞与に対する源泉徴収額算出率の表も別途ありますのでそれぞれに応じて使い分けが必要です
また、ほぼ毎年内容が変わるので必ずチェックするようにしましょう。

参照:国税庁WEBサイト 源泉徴収義務者の方

実際の所得税が決まるのは1年の給与が確定してから

毎月の給与額に伴って源泉徴収をしている金額は、あくまで所得税の概算です。
そのため12月の給与において、その年の年間所得が確定したら、正しい所得税を求め源泉徴収していた分との差額を調整する必要があります。
これが年末調整です。

年末調整を行うにあたり、扶養者についての情報や、所得控除できる保険などをかけているかなどを事前に調べる必要があります。

12月は賞与を出す会社も多いので、賞与の源泉徴収に加え、12月の給与計算と年末調整を行う担当者は、11~12月が最も忙しい月となるでしょう。

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