税理士事務所で働きたい場合に気になるのが、毎日どのような業務を行っているかです。また、年間仕事のスケジュールの中で、どの時期が忙しくなるのか、ルーティンワークはあるのか、なども気になるところです。そこで今回は、税理士事務所の1日の仕事スケジュールをルーティンワークも含めて解説していきます。
税理士事務所の一般的な1日の仕事の内容は、クライアントの会社で行う業務と、税理士事務所で行う業務の2種類に分かれます。
クライアントの会社で行う業務の中心は月次監査です。月次監査は1件につき数時間かかるので、1日に1〜2件ほどクライアントの会社を訪れて法人顧客の決算に関する業務を行い、その日のうちに月次監査を終えて事務所に戻ってから、数日〜数週間の期間をかけて顧客ごとの決算作業を進めていきます。
朝食時に新聞で、経済や税制に関する最新情報のチェックを行います。
出社して始業までの時間には、クライアントや事務所スタッフからのメールをチェックします。
朝の朝礼とミーティングで、今日のスケジュールを確認します。
クライアントや税務署などに提出する書類を作成します。
顧問をしているクライアントには定期的に訪問します。新規クライアントへのヒアリングや相談も重要な仕事です。
クライアントとの昼食は、重要なコミュニケーションの機会です。積極的に信頼関係を築くことが重要です。
社内で勉強会を開き、情報を共有します。
翌日訪問するクライアントのために資料を作成します。
退社する前にメールチェックし、急いで対応する必要があるかを確認します。繁忙期には残業することも多いです。
税理士事務所の1日の仕事の流れが把握できたら、次に1年間の仕事の流れをご紹介します。
税理士事務所の年間スケジュールですが、まずどの事務所も決まってあるのが、12月〜1月の年末調整業務、2月〜3月の確定申告業務です。国が定めている期日に沿って業務が行われるため、この時期はどこの事務所も忙しいです。
そして、3月の確定申告が終わると、次に4月~5月は3月決算法人の決算業務に追われます。日本では3月決算の企業が一番多いため、4月~5月が決算業務の繁忙期となります。それが無事終わると、6月~11月は会社によっては決算業務がありますが、その時期は比較的落ち着き閑散期になります。
この時期は月次監査などの通常業務が中心になり、忙しくなるのは臨時の税務調査が入ったときくらいです。特に8月は税理士試験があるため、受験のためにスタッフが長期休暇をとる場合もあります。
年間スケジュールについてさらに詳しくは下記のコラムで紹介しています。
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複数の税理士やスタッフで構成される税理士事務所は1つの組織です。組織の一員として働いていると、毎日の作業がルーティンワークのように感じてしまうことがありますが、そんなときのために日頃から心がけておくべきことをご紹介します。
1つは、ルーティンワークを意味のないものと思わないことです。決められた一連の動作をルーティンといいますが、ルーティンによって行動を習慣化することで、状況に左右されない集中力やパフォーマンスを獲得することにつながります。
一流のアスリートが毎回決まった動作を行うことを重視するように、ルーティンワークは高い成果を発揮するための重要な基礎となります。ルーティンワークを面倒と思わずに、成長の機会と捉えることが大切です。
次に、時代の流れに適合した知識や技術を意識して習得するようにしましょう。例えば、少子高齢化などの時代の流れによって需要が高まることが予想される業界の業務に精通する、会計システムに応用できるITスキルを身につける、語学力を高めるなどです。
日々の担当業務をルーティンワークのように感じても、自分自身が未来を見据えて向上していく姿勢を忘れなければ、あらゆる機会を成長のチャンスと捉えることが可能になります。
税理士事務所の1日の仕事スケジュールについてルーティンワークを中心に紹介しました。税理士事務所では、今回紹介した以外の仕事にも、年間で取り組んだり、突発的に生じるものなど様々な業務がありますので、詳しくは下記のコラムもご覧ください。
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