税理士試験は合格までに、数年に渡って受験する必要があり、正社員やパートとして働きながら税理士試験受験をする社会人の方も多いです。勉強との両立をふまえながらも、税理士としてのキャリアを考える際、税理士試験受験生はどのタイミングで転職すべきなのか、最新の求人動向をふまえてキャリア別にまとめてみます。
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税理士試験は膨大な量の受験勉強が必要なため、派遣やパートタイムでの勤務をしながら、試験勉強をされる方も多くいらっしゃいます。巷では、通例として3科目を合格したタイミングが良いとされていると聞きますが、ここ数年の税理士・会計事務所従事者の転職需要の増加により、正社員として勤務を始めるタイミングは変わってきているようです。
これまでも、科目合格者資格手当制度や、試験受験日当日の特別休暇など、資格勉強と両立する方の多い会計事務所を中心に独自の制度が設けられてきました。ここ数年、会計・税務・経理人材の需要の増加から、試験日前に休暇を取りやすいよう業務調整をしたり、資格予備校の時間に合わせて定時を変更できたりと、さらに税理士試験受験生を厚遇する会計事務所が増加しています。また、一般企業でも試験日には特別休暇を付与したり、税理士試験前の7~8月には業務調整を約束したりと、税理士試験受験生への環境を整える企業が出始めており、受験生が勉強と両立しながら、正社員として働きやすくなってきています。
きちんと税理士受験生向けの環境が整備されてきたことから、科目合格前から正社員として実務経験を積む受験生の方も増えています。
科目合格前から正社員として働くメリットとしては、年収・待遇面以外では、はじめから税理士試験受験と正社員勤務を両立しているため、科目合格後に正社員として働き始める方に比べ、ペースを崩しにくいという点があります。また、税理士としてのキャリアの観点でも、近年は資格以上に実務経験が評価されるため、正社員として担当顧客を持ったりしながら実務経験を積むことで、税理士資格を取得した時にスムーズにキャリアアップがしやすいというメリットもあります。
毎年、税理士試験は8月中旬に実施されますが、税理士試験受験生にオススメの転職時期はあるのでしょうか。キャリア・転職先によって、求人すうや転職に条件がいい時期は変わってきます。そうした市場動向もふまえて、キャリア別に税理士試験受験生の転職にオススメの時期をまとめてみます。
Big4 をはじめとした大手税理士法人はきちんと採用チームや人事担当がいるため、通年採用をしています。税理士試験受験後に採用に力を入れる年度もありますが、通年採用をしてるため、求人数・採用人数は時期によって大きく変わるわけではありません。
大企業の税務顧問や国際税務など、高度な税務業務が多いため、以前は4科目合格以上が要件となるなど、採用要件が非常に高かったですが、ここ数年は2科目合格 or 実務経験3年以上となるなど、特に若手であれば要件は下がっています。その分、コミュニケーション能力やこれまでのご経験からポテンシャルをアピールする必要があり、選考を受ける場合はしっかり対策する必要があるでしょう。
大手税理士法人の場合、配属部署によっては業務量が多く勉強との両立が困難なケースもあります。内情の詳細の確認や選考対策などの相談に乗ってもらえる、エージェントを使って転職するのが好ましいと言えます。
中小会計事務所は大手税理士法人と違い、採用に力を入れる時期がはっきり決まっています。決算業務繁忙期が終わる6月、税理士試験後の8~9月、税理士合格発表後の12月の三つです。中小会計事務所は有資格者に限定して採用することは少ないため、近年は特に6月と8~9月に求人が増加しています。
中小企業の場合、記帳代行が中心のところからコンサルティング業務が中心のところまで、また、業界特化型事務所から個人・中小企業税務全般ができる事務所まで、業務内容が会計事務所ごとに様々なので、 HP や求人サイトで確認し、ご自身の税理士としてのキャリアプランにあった事務所を選択しましょう。ちなみに、近年は、比較的大規模な企業の顧問業務を経験できる中堅税理士法人が人気です。
「将来的に一般企業勤務税理士になりたい!」「福利厚生が充実していたり、働き方に理解のある環境で働きたい。」などの理由から科目合格時点で一般企業への転職を希望される方も増えてきています。特に、時短勤務等の融通が効きやすいため、子育てとの両立の観点からママさん受験生に人気です。
一般企業は税理士試験を意識して、採用活動をすることはほとんどなく、採用枠も「1」のことがほとんどなので、いかにタイミングよく求人と出会えるかが肝になってきます。税理士試験受験前から情報収拾をはじめ、いい求人があれば試験受験前に選考を受ける方もいらっしゃいます。
一般企業は業務内容・制度が企業ごとにさまざまなので、試験勉強や子育てなどのプライベートと両立を希望される方は、転職エージェントに実際の業務内容・業務時間について確認することをオススメします。
会計人材の転職需要の増加やキャリア・働き方の多様化から、税理士試験受験生・科目合格者の転職事情は、年々変わってきており、なかなか一人では最新の動向をキャッチするのが難しくなっています。会計業界特化の求人サイトや転職エージェントを積極的に活用して、情報収拾するのもいいでしょう。
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