グローバル化が進み、日本企業の国際展開が進む中、国をまたいだ国際税務の専門家のニーズは年々高まっています。そんな国際税務に特化した税理士の業務内容や求人動向、転職の際のポイントについてまとめてみました。
国際税務担当に関しては、近年のグローバル化から需要は増えているものの、経験のある人材がほとんど増えておらず、経験者の市場価値は高騰しています。
Big4 税理士法人やそれに類する規模の法人で経験を積んでいた方はもちろん、中堅税理士法人で複数案件を担当したことがある方でも、経験者として給与や待遇をあげやすい状況です。
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国際税務担当者が不足しているため、未経験者の採用も行われています。
しかし、未経験の場合は、語学力や法人税・消費税に関する知識(合格科目数)、またこれまでの担当クライアントでの経験が見られる傾向にあるため、そうしたポイントからいかにご自身をアピールしていくかが重要になってくるでしょう。
国際税務担当は、部署異動で募集されるケースも多いため、まずは国際税務の取り扱いが多い税理士法人に転職し、数年後に国際税務担当に異動届を出して、希望のキャリアを実現する方もいらっしゃいます。
国際税務は国をまたいだ取引において発生する税金・課税についての業務を指します。
具体的な業務として、次の二点を取り上げます。
子会社・関連会社での取引では、関係のない企業間での取引に比べて、特別な価格設定をされることがあります。
例えば、外食事業を運営するイギリスの企業に、親会社の日本の食品加工会社から、通常の価格設定より高い価格で輸出したとしましょう。その場合、イギリスの外食事業会社の所得が通常より下がり、日本の食品加工会社の所得は通常より上がるため、イギリスが本来回収するべきだった所得税が減少してしまいます。
そうした各国間での税収の損得が起こらないようにするため、関連会社間で適正な取引価格を設定し、国をまたいだ租税回避を防止するルールが、移転価格税制です。
この移転価格税制を適応されると、日本か海外のどちらかで追徴課税され、その場合、国際間の二重課税の排除が簡単にはいかない可能性があります。
こうした課税リスクを回避できるように、調査に備えて取引価格の正当性を記した文章を作成したり、課税当局との交渉をしたりするのが、国際税務担当者の業務の一つになります。
課税地国を考慮したコンサルティング業務も主たる国際税務業務の一つです。
日本での法人税は法人区分・資本金等によって決められた区分で15~23.4%で、法人が負担する事業税と住民税を合わせる実効税率は約30%ですが、世界各国には法人税の実効税率が日本の半分以下の国も存在します。
そんな、国ごとに違う課税制度を考慮する必要があるケースとしては、海外に拠点を設けたり、海外へ労働者を派遣したりするケースが挙げられます。
海外拠点のケースでは、各国に展開する企業に対してのスキームづくりのコンサルティングを行います。具体的な内容としては、日本を本社として支店を設立し、各国で作成した申告書を本社と合算するのか、子会社を設立し、現地で申告・納税後に親会社に配当した方がいいのかなど、海外への進出方法に応じたメリット・デメリットなどのアドバイスが該当します。
また出張や駐在などで海外に派遣した労働者個人の税金に関しても、現地滞在期間に応じた適応ルールが存在します。
日本も極端な租税回避行動を防ぐため、タックスヘイブン対策税制を設け改正を繰り返しており、国の税制の枠組みの中で、どういう子会社設立や労働者の派遣戦略をとるのがいいのか、管理部門や経営陣と擦り合わせ、提案する税制への理解と論理能力が求められるやりがいのある業務です。
上記の業務は一例になりますが、国際税務は非常に専門性の高い領域です。
国外とのやりとりが多くなるため、英語の読み書きのスキルも必要ですが、専門領域に関心を持つ好奇心や、きちんと自ら学ぶ学習能力は英語力以上に必要なスキルになります。
また、その専門性の高さから、業務経験者の市場価値は上がりやすいです。
実は、税理士試験で国際税務に関係する税制について勉強することはほとんどありません。
別途、専門知識を学習し顧客とコミュニケーションをとりながらコンサルティングする必要があるので、税理士資格を持っていなくても活躍している人が多い分野なのです。
とはいえ、基本的な法人税や消費税の仕組みがわかっている税理士の方が学習は進みやすいので、国際税務に興味のある方は法人税や消費税を勉強するとよいでしょう。
国際税務のキャリアは、いかに専門性を磨いて市場価値をあげていけるかが大事になってきます。
昨今はBIG4などの大規模な税理士法人だけでなく、中小規模な税理士法人や税理士事務所にも国際案件に強い法人が増えています。
国際税務担当として市場価値を高めていきたい場合には、もちろん国際案件を扱っている職場で働くのが良いですが、BIG4などの大規模な税理士法人では分業制により、一部の業務しか担当できない可能性があります。
ですので、最短で専門性を極めたいという方には、国際税務に強い中小規模の税理士法人で働くのがよいでしょう。
ここでは実際に国際税務の経験が積めるオススメの税理士法人として、税理士法人Right Hand Associatesをご紹介させて頂きます!
税理士法人Right Hand Associatesは東京都大田区にある税理士法人で、「チャレンジする中小企業を応援する会計事務所」を理念にしており、融資、IT、海外取引に強い事務所という特徴があります。
特に代表の原様が東京外国語大卒ということもあり、英語による会計・税務申告にも力を入れています。ミャンマーにも事務所があり、英語による決算書等の会計書類の作成、国際税務に精通しています。
入社3か月後からはリモートワークの使用が可能であったり、試用期間後はフレックスタイム制も利用可能、残業時間も調節可能などと、柔軟な働き方ができる環境となっています。代表の原様を含め、多くの女性が活躍しているので、女性の働きやすい職場です。
本記事で述べたとおり、国際税務担当は専門性が高く、ここ数年で大きく採用需要がのびた市場のため、転職やキャリアについてあまり多くの情報がありません。したがって、税務や税理士法人を専門に取り扱う転職エージェントに相談してみるのは非常に有効でしょう。
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