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仕入税額控除とは?要件や軽減税率を簡単にわかりやすく解説!

HUPRO 編集部
仕入税額控除とは?要件や軽減税率を簡単にわかりやすく解説!

**この記事では、消費税の計算を行うときに問題となる「仕入税額控除」の意味について簡単にわかりやすく解説します。
仕入税額控除とは、簡単にいえば消費税の計算時に「経費」として処理できる項目のことです。
令和元年10月1日に以降に適用されることになった軽減税率の意味についても説
明していますので、ぜひ参考にしてみてください。

仕入税額控除とは何か

仕入税額控除とは、消費税を計算するときの「経費」のようなものです。消費税の計算は以下のように行います。

消費税額=売上高に含まれる消費税−仕入税額控除

例えば、800円で商品を仕入れて1000円で売ったとしましょう。出た利益は200円です。

この場合に納める消費税額は、以下のように計算できます。

・消費税額=売上高に含まれる消費税−仕入税額控除
・消費税額=(売上高1000円×消費税率10%)−(仕入高800円×消費税率10%)=20円

まず、800円で商品を仕入れるときには、800円×消費税率10%=80円を仕入れ業者に預かってもらっています。これが仕入税額控除です。

1000円の商品が売れたときには、お客さんから1000円×消費税率10%=100円の消費税を預かります。

最終的に、この事業者が国に納める消費税は、売上高に含まれる消費税100円−仕入税額控除80円=20円ということになります。

「仕入税額控除」というと言葉は難しいですが、会計で普通に「利益=売上高−経費」とするのと基本的な考え方は同じです。

仕入税額控除の理解のポイント

理解のポイントとしては、仕入税額控除の金額が大きくなればなるほど、消費税の負担額は小さくなることです。

法人税や所得税の計算でも「税金を安くするために経費をたくさん計上する」ということを行いますが、消費税の場合も同じです。

消費税の負担額を少しでも小さくしたい場合には、仕入税額控除に含められる仕入高や経費支払いは残さず計上することが大切になります。

一方で、国民から税金を少しでもたくさん取りたい国としては、「ある種類の経費支払いについては、仕入税額控除に含めることを認めない」という扱いにしていることがあります。

同じ経費支払いでも、仕入税額控除に含められるものと、含められないものがあると言うわけですね。

前者の「仕入税額控除に含められるもの」のことを課税仕入れ、「仕入税額控除に含められないもの」を非課税取引とか不課税取引とか言ったように呼びます。

逆にいえば、ある支払いを仕入税額控除として処理するための要件は、その支払いが非課税取引や不課税取引に該当しないことです。

仕入税額控除に含めることができる支払いのことを「課税仕入れ」と呼ぶこともあります。

仕入税額控除と軽減税率

令和元年10月1日以降、消費税の税率が10%に変更されました。

一方で、一定の種類の取引については、従来通りに8%の税率が適用されるものがあります。これを軽減税率制度といいます。

具体的には、酒類や外食を除く食料品・飲料品の購入は軽減税率が適用されます。レストランに行ったときに、お店の中で食事をしたときには軽減税率は適用されませんが、テイクアウトにしたときには軽減税率が適用されます。

これらの仕入税額控除を計算するときには、消費税率を8%にして計算しなくてはなりません。

軽減税率に該当する支払いであるか、そうでないかは支払いをしたときに受け取るレシートに記載されていますので、必ず保存しておくようにしましょう。

仕入税額控除に含められない経費①:非課税取引

事業者が行う経費支払いの中には、消費税の計算では仕入税額控除に含めることができない項目があります。

例えば、銀行からお金を借りたときには利息を支払わないといけませんが、利息の支払いは非課税取引となりますので、仕入税額控除として処理することができません。

具体例で考えましょう。1年間で行った取引が以下のような事業者がいたとします。

・①売上高:1000万円
・②仕入高:800万円
・③経費(接待費):20万円
・④経費(支払利息):10万円

①は課税売上高です。②と③は仕入税額控除として処理できる支払いです。

一方で、④は非課税取引ですので、仕入税額控除の計算に含めることはできません。

この事業者が納める消費税は以下のように計算します。

消費税額=(①売上高1000円×消費税率10%)−(②仕入高800円×消費税率10%+③接待費20万円×消費税率10%)=18万円

非課税取引として処理しなくてはならない支払いには、以下のようなものがあります。

・銀行への支払利息
・保険会社に支払った保険料
・行政サービスに対して支払った費用
・土地の購入費用
・住宅として物件を借りた場合の賃料

仕入税額控除に含められない経費②:不課税取引

上で見た非課税取引の他にも、取引の性質上、課税取引とできないものがあります。

そもそも仕入税額控除として認めてもらうためには、以下のような4つの要件を満たさなくてはなりません。

・①事業者と行った取引であること
・②国内で行われた取引であること
・③代金などの対価をもらって行われた取引であること
・④商品を売り渡したり、サービスを提供したりしたこと

これらの要件を満たさない取引は、一見すると課税仕入れのように見えても、不課税取引として処理しなくてはなりません。

不課税取引に該当する取引の具体例としては、以下のようなものがあげられます。

・従業員への給与の支払い(①の要件を満たしません)
・海外で購入した商品やサービスの支払い(②の要件を満たしません)
・寄附金の支払い(③の要件を満たしません)
・株主への配当金の支払い(③の要件を満たしません)
・損害賠償金の支払い(③の要件を満たしません)
・盗難にあった場合(④の要件を満たしません)

まとめ

今回は、消費税の計算を行う際の「仕入税額控除」の意味について解説いたしました。

実務上は、会計ソフトなどに仕訳を入力する際に、非課税取引や不課税取引を課税取引として処理しない(仕入税額控除に含めない)ように注意が必要です。

仕入税額控除は、消費税の計算方法を理解する上で非常に重要な考え方ですので、ぜひ理解しておいてください。

この記事を書いたライター

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