監査法人業界では年々、マネージャーになるための競争が激しくなってきているという声もチラチラ聞かれていますが、実際には何年かかるものなのでしょうか。マネージャーは管理職であるため残業代がなくなり年収が下がるケースもありますが、今後のキャリアにも重要なポジションですので、詳しく考えていきたいと思います。
監査法人に入所すると通常の公認会計士の監査ポジションであれば下記のような流れとなります。それぞれ仕事内容と平均で何年かかるのかを見ていきましょう。
(1)スタッフ
(2)シニアスタッフ
(3)マネージャー
(4)その後
監査法人に入所して未経験で採用されるのはスタッフからです。過去、10年事業会社で働いていたことがあったとしても監査業務は公認会計士の独占業務であり未経験枠となりますので、通常はスタッフから採用されることが多いです。30代や40代の方がスタッフから勤務される場合もあります。
スタッフ時代は監査業務のイロハを学ぶことができ、今後の監査業務の基本が身につく時代でもあるので、マネージャーを目指す人にはもちろん、どんな人にも重要な時代です。今後、マネージャーを目指したいスタッフはこの時期から任された仕事を効率的に正確に行い、シニアスタッフの仕事も巻き取っていき自分の仕事の幅を増やしていけると、シニアスタッフ、マネージャーへと昇進しやすいと思います。
スタッフで3~4年勤務するとシニアスタッフに昇進することができます。この時期は試験の合格を前提として、公認会計士試験合格者から正式な公認会計士へと名乗れる時期でもあるため、転職を考え始める人も多い時期です。シニアスタッフへの昇進率はとても高く通常のパフォーマンスを発揮していれば問題なくシニアスタッフへは昇進できると考えて良いと思います。
もちろん、過去に問題を起こしてしまった、勤務態度が悪い、といった人は難しいケースがありますが、特に心配する必要はありません。シニアスタッフになればベース給料もアップし、監査チームの中心的メンバーですので残業も増えスタッフ時と比較して年収的にはかなり上がります。シニアスタッフになると主査を任される、スタッフの指導・育成など監査法人における業務の幅が広くなり、スタッフ時代よりもさらに視座がアップします。
シニアスタッフで4~6年超勤務するとマネージャーに昇進することができます。監査チームでは主査を任せられ、責任者であるパートナーのもと、監査業務に関わる全ての事項をマネジメントする必要があります。シニアスタッフやスタッフのアサイン、育成、そして監査法人内の業務、協会や執筆活動など、業務の幅がいっきに拡大するのがこの時期です。マネージャーには誰でもなれるわけでなく、10年超シニアスタッフのままマネージャーに上がれないという人も出てくるなど競争が激しいポジションになります。
以前のように年功序列でシニアスタッフを数年勤務すれば自動的にマネージャーになれるという時代は終わり、監査法人も評価を上げなければ、昇進することができません。また、前述のとおり、マネージャーに昇進すると仕事量は増えますが残業代は付かなくなるため、シニアスタッフよりも年収が下がるケースもあります。それでもマネージャー、そしてその上の社員、代表社員を目指したい、監査業務が純粋に好きな人がなっていくキャリアです。
マネージャーを5年~10年超勤務するとシニアマネージャーに昇進することができます。シニアマネージャーは社員の一歩手前であり、監査法人の従業員としての最高ポジションとなります。社員は持分に応じて出資し責任を負う立場にもなり、従業員としての立場ではなくなります。シニアマネージャーにもなれば、監査業務はもちろんのこと、社内外に強力なプレゼンスを持ち業界を引っ張っていけるリーダーとしての役割が期待されます。
そのシニアマネージャーを5年~10年勤務すると、晴れて社員、そしてその後は代表社員への道が開けることになります。社員、代表社員は、通常の事業会社の役員クラス並みに報酬が貰えるため、長く監査法人に勤めたい方は是非マネージャーを経て社員まで目指して頂きたいと思います。
監査法人に入所してから通常7年~10年の勤務が必要です。以前よりも出世競争が激化していることを原因として、この年数が次第に遅くなってきている傾向にあります。監査法人のマネージャーは通常の事業会社で言うところの課長クラスです。一度このポジションになってしまえば、今後の転職にも有利になりますので、シニアスタッフでマネージャーに近い人はまずマネージャーに昇進してから転職をするケースも多いです。
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