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女性税理士の年収はいくら?初任給から多様な働き方まで解説!

ヒュープロ編集部|鴉田絵美理
女性税理士の年収はいくら?初任給から多様な働き方まで解説!

女性の社会進出が進むにつれて、税理士業界でも女性が占める割合が増えています。そんな女性税理士の年収は現在約595万円と比較的高い年収を実現することができます。今回は年収だけでなく働き方の面でも女性のキャリア形成におすすめの資格である税理士について、平均年収やオススメできる理由などを解説していきます。

女性税理士の平均年収はどれくらい?

そもそも税理士の平均年収はどれくらい?

厚生労働省の発表する「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、令和4年度における税理士・公認会計士の平均年収は約745万円でした。
ただし、「賃金構造基本統計調査」は、税理士と公認会計士を一緒にして統計を出していますので、やや正確性に欠ける点に注意が必要です。これはあくまで平均年収ですので、それ以上に稼いでいる人もいればそれ以下の人もいます。中には開業税理士で1億円以上の年収がある人も全体の0.1パーセントとごく少数ですがいます。

男女別平均年収は?

では、女性税理士の年収事情について、「令和4年賃金構造基本統計調査」を見ていきましょう。

性別 平均年収 調査対象 平均年齢 平均勤続年数
男性 792万円 1,711人 42歳 9.6年
女性 596万円 531人 43.9歳 10.3年
合計 694万円 2,242人 42.9歳 10年

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を参考に積算すると、女性税理士の平均年収はおよそ596万円程度になります。その一方男性税理士の平均年収は792万円程で大きな開きがあります。ただ、日本全国の平均年収の458万円と比べると、男女問わず税理士は比較的高い給与水準であるといえます。

男女で給料相場に差が出る理由

上述の通り、男女で約200万円程平均年収に差がありますが、これが男女間の差別だと結論付けるのは早計です。
むしろ、税理士業界では基本的に男女間で給与面の差をつけることはなく、実力次第で昇給していくシステムであるため、基本的に性別による給与の差別はないと考えられます。さらに、産休や育休でブランクがあっても、仕事に復帰した後に給与面で不遇な扱いを受けることもほぼありません。むしろ最近は大手の会計事務所が中心ではありますが、優秀な人材を確保するために福利厚生を民間企業並みに改善しようとする動きがあります。そういう点では女性税理士にとって有利にこそなれ不利になることはないでしょう。

そのため、詳しくは後述しますが、男女で給料相場に差が出る理由としては、女性税理士は多様な働き方ができるという点がいえるでしょう。

年代別!女性税理士の平均年収

ここでは、女性税理士の年代別の平均年収をご紹介します。なお、税理士と公認会計士を一緒にして統計を出していますので、税理士のみの明確な年収額でない点、企業規模10人以上の事業所が対象であり、個人運営の税理士事務所などのデータが含まれていない点をご理解ください。

女性税理士は55~59歳に平均年収のピークを迎えることがわかります。

女性税理士の割合は増えてきている

女性税理士の数は着実に増えています。日本税理士連合会の統計によれば、平成24年に初めて1万人を突破し、平成26年4月には全体の14.4%ほどとなっています。また、平成28年の税理士試験の合格者の割合で見ると女性比率は約27%となっており、税理士業界を目指す女性が増えていることが伺えます。

出典:全国女性税理士連盟
出典:第6回税理士実態調査(平成26年4月調査)

現状では、女性税理士の割合はそれほど多いとは言えず、また独立開業を目指す女性税理士も少数派ですが、他の業界と同じように、男女共同参画社会の進展により女性税理士の活躍は増えていくと思われます。

また、中小企業を中心に、エステ関連など経営者をはじめスタッフは全員女性という業種もあります。こういった会社は女性税理士が担当することを希望するケースがあり、女性税理士だからこそのニーズも市場に存在します。

女性税理士の働き方の特徴

上述の通り、女性税理士が増え続けている点からも、女性が働きやすい職業であることがうかがえますが、実際に女性税理士がどのように働いているのか、具体例を挙げながら見ていきたいと思います。

ライフイベントに応じて柔軟に働ける

女性税理士は最初にも述べたようにまだ人数としても少ないものの、需要があるため、非常に希少価値が高いと言われています。さらに、近年税理士業界では税理士試験の受験者が減少傾向にあり、慢性的な人手不足にあります。そのため、ニーズがあるからこそ、女性の働き方を考慮してくれる税理士法人は非常に増加しており、ライフイベントに応じた多様な働き方が認められつつあります。

例えば、20〜30代の場合。
20代頃に税理士資格取得を目指し始め、30代前半までかけて試験に合格する方が多いでしょう。男女関わらず、税理士法人では試験休暇や、時短を認めているケースがほとんどですので、働きながら資格取得を目指す方が多いです。

そして、30代以降になると、女性は出産や子育てなどのライフイベントが増えてきます。最近の税理士法人では、産休・育休の推奨をしていることがほとんどです。職種によってはこうしたライフイベントの節目で仕事を辞めざるを得ませんが、税理士資格を持っていれば、育児休暇を終えて復職しても、何の問題もなくキャッチアップすることができるでしょう。

また、税理士法人では時短勤務やパートでの勤務をする方も多く、子供が大きくなるまで育児と両立しながら働くことも可能です。
パートや時短勤務可能の求人も最近は非常に多いので、チェックしましょう。

ワークライフバランスが取れている

また女性税理士の働き方の特徴として、ワークライフバランスが取れているケースが多いということも挙げられます。男性税理士の場合、拡大や成長を意識して、昇進や開業の顧客獲得などを意識することが多く、時間配分が仕事に偏るケースが多いです。土日返上で働く人も珍しくありませんが、女性税理士の場合は、目の前の顧問先を意識しながら、趣味や子供との時間などライフの部分を大事にしながら働くケースが多い印象です。
そのため、女性にとって税理士とは、自分のしたい業務や実現したいライフスタイルを考えたうえで働ける職業であるといえるでしょう。

女性税理士はどんな働き方ができる?

上述の通り、女性税理士はワークライフバランスが取れて且つ、ライフイベントに応じた多様な働き方があるといいました。では、女性税理士にとってのキャリア形成を踏まえて、実際にはどのような働き方ができるのでしょうか。以下で具体的に紹介していきます。

税理士事務所

税理士事務所で働く場合、個人事業主や中小企業をクライアントとして、直接コミュニケーションを取りながら税務に対してサポートを行う働き方が一般的です。顧客対応を通じてビジネス知識をつけることができ、さらに事業の成功に直結するというやりがいを感じることが魅力といえます。ただ、税務申告の繁忙期には長時間労働になることもあるため、事前に働く先の勤務条件を確認することが重要です。また、税理士事務所でキャリアや人脈を築き、独立開業するというキャリア形成をするケースも多いです。

独立開業

税理士法人である程度経験を積んだ後、自分自身で税理士事務所や税理士法人を立ち上げて開業する選択肢も考えられます。顧客への税に関するアドバイスや税務に関する代行業務を行ったり、さらに中小企業診断士やファイナンシャルプランナーなどの資格を取得しコンサルタントとして活躍することも可能です。顧客獲得や事業拡大などの大変な面もありますが、働き方の自由度が高く、さらに多くの顧客を獲得すればさらなる高収入を目指せる点が魅力といえます。また、独立開業すれば、定年はありません。体力と気力の続く限り仕事ができますし、年収も仕事に見合った額が期待できます。

開業税理士については以下の記事でも詳しく紹介していますので併せてご参照ください。
《参照記事》

一般企業

税理士事務所などで経験を積んだ後に、一般企業の経理職などで働くケースも多いです。経理や決算業務、また有価証券報告書などの作成を行ったり、大企業では専任の税理士として専門的な税務対策を担当することもあります。また、スキルを伸ばしていけばCFOや幹部候補生として働くこともできるでしょう。一般企業で働く場合の年収は、企業の給与水準によって異なるため、給与水準の高い企業へ転職をして年収アップを図るのも良いでしょう。ただ、税務とは異なる業務を行うこともある点に注意が必要です。

女性が税理士資格を活かして働きやすい職場としてオススメ!│税理士法人リリーフ

ここで、女性が税理士として働くのにオススメの職場として、税理士法人リリーフをご紹介します!

税理士法人リリーフは千葉県千葉市にある、「お客様に寄り添い、
想いをつなぐ事務所」です。1人1人のお客様に合った総合型のコンサルティングサービスの提供国税出身の税理士による相続税のサポートなどを強みとしています。

女性が働くのにオススメな理由として、ワークライフバランスを大切にしていることが挙げられます。家事や子育て、介護などと無理なく両立できるよう、突発的なお休みにも柔軟に対応しています。リモートワーク時差出勤といった働き方を選ぶことができるのも、働きやすいポイントの一つと言えるでしょう。

また、税務申告や顧問業務から、事業承継やバックオフィスのコンサルティング、相続税に関わる業務まで幅広い経験を積むことができるので、税理士としてのスキルアップも可能です。

税理士法人リリーフについて、詳しい情報を確認されたい方は、以下より事務所様のサイトをご覧ください。

税理士法人リリーフ│HP

税理士資格が女性におすすめできる理由

税理士資格をおすすめする理由は大きく分けて3つあります。

税理士資格は永遠に有効である

第一に資格に有効期限が無いことです。一度得た税理士資格は、税理士法違反を行わない限り、はく奪されることがありません。

よって女性のライフイベント等で税理士業務の就業から離れた後に、また就業したいと考えた際にも、税理士資格は消える事が無く、次の職場等でも活かすことが出来ます。

転職の際に有利になる

第二に税理士資格を保有していることで一定の評価を転職の際に得られることが出来ることです。転職をする際には、いくら前職での功績があったとしても、その功績について次の職場で最初から評価されるとは限りません。

税理士資格は国家資格であることから、資格保有者は会計におけるスペシャリストとして性別を問わず多くの職場で認められています

また、税理士事務所は全国どこに行っても必ず存在しています。
家族の転勤や、引っ越しなどで住居が変わったとしても就職できる場所を見つけられる可能性が高いです。

受験期間に期限がない

そして最後の理由としては、税理士試験の制度が挙げられます。
税理士試験は、全部で5つの試験科目に合格をしなくてはいけませんが、この試験科目は1年に1つずつ受験することも、1年に5つ受験することも可能です。

またその試験科目の合格実績に有効期限が無く、5つの試験科目に合格するまで何年かけても良い試験です。1年に5つ受験をして全て1度に合格を得る、という人は非常に稀であり、多くの人が複数年に渡って税理士試験の受験生活を過ごしています。

このように1つずつ受験することが可能であり有効期限がないことから、数年に渡る受験生活から女性のライフイベント等で離れる場合にも、また受験生活に戻ることが可能であることが、女性におすすめである試験であるといえます。

女性が税理士を目指す際の懸念点

女性が税理士を目指すのがおすすめである理由についてご説明いたしましたが、反対に税理士を目指す懸念点・デメリットもあります。

繁忙期は残業時間が多くなる

まずは、繁忙期の残業時間です。税理士は事業会社の決算に合わせて仕事をすることが多いので繁忙期と閑散期が割と明確にあり、繁忙期には残業が多くなります。出産や子育てなどプライベートとの両立が難しくなることもあるでしょう。

試験時間の確保

税理士試験は、仕事をしながらでも両立できる試験と言われてはいるものの、やはり難関資格ですので多大な勉強時間を確保する必要があります。繁忙期に残業が多いことのデメリットと同じように、プライベートの時間を確保しながら資格勉強を進めることには覚悟が必要です。

女性税理士が転職でキャリアアップした事例

ここからは、実際に女性税理士の方がそれぞれの強みを活かして転職で成功した事例をご紹介していきます。
現在転職を考えられている女性税理士の方、また迷われている方はぜひご参考にしてみてください。

企業内税理士への転職で年収アップ!

Hさん
30代後半の女性
転職前:大手税理士法人
転職後:一般企業の経理

元々キャリア志向であったHさんは、税理士試験に合格後、大手税理士法人に勤務し、連日残業の日々を過ごしていました。そんな中、結婚・出産をされて、子育てなど様々なライフイベントを通じて、ワークライフバランスを重視した働き方を望むようになり、転職したいという思いを抱き始めました。しかし、年収は今より下げたくないという理由で、希望条件の狭さからなかなか選考に進めなかったとのことでした。
弊社エージェントにご相談いただいた際も、かなり厳しい条件ではありましたが、弊社ならではの求人の中から、Hさんの希望条件に合うような、働き方改革を積極的に取り組んでいる企業を見つけ出すことができました。また、大手税理士法人での勤務経験は高く評価される傾向があるため、こうした経験や税理士としての知識を面談の中でどうアピールするかといった面談対策をしっかり行いました
その結果、希望とミスマッチのない給与水準の高い企業への転職を成功させ、ワークライフバランスを重視した働き方を実現されました。

他の税理士と差別化してスキルアップ!

Mさん
20代後半の女性
転職前:大手税理士法人
転職後:中堅税理法人

大手税理士法人で順調に実務経験を積んできたMさんは、自身のスキルアップを実現したいと考え、税理士として何か強みを持つために税務+αの経験が積める税理士法人への転職を希望されていました。
そこで弊社キャリアアドバイザーは、将来的に税理士としてどういったキャリアを歩みたいのかを一緒に考えIPO支援や再生に興味があるとのことでしたので、その分野に強みを持った会計士の先生が立ち上げた中堅税理士法人をご紹介させていただきました。
20~30代の若い税理士は貴重な存在であり、かつ豊富な実務経験があったため、無事にご希望の税理士法人への転職を成功されました。
このように弊社では、どんな思いを持って転職するのか、将来のビジョンを含めて細かくヒアリングさせていただくことで、求職者様に合ったキャリアプランをご提案させていただき、ご希望とぴったりの会社の内定獲得をサポートさせていただきます。

まとめ

女性が結婚、出産後も仕事を続けることは今後もますます増えていくでしょう。
さらなるキャリアアップを目指して収入を上げることを考えているのであれば、転職も一つの方法です。今の職場以外にもあなたの能力を高く評価してくれる会計事務所が見つかるかもしれません。
税理士の仕事内容や試験についてはこちらのコラムでも詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

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この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の鴉田です!士業・管理部門特化の転職エージェントヒュープロでHUPRO MAGAIZINEのディレクション、セミナーの運営を行っております。ご転職をお考えの方は、是非TwitterのDMよりご連絡ください!
カテゴリ:転職・業界動向

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