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税理士事務所のボーナス事情

HUPRO 編集部
税理士事務所のボーナス事情

独立して業務を行っている事が多い税理士ですが、別の税理士が所長を務めている税理士事務所に勤務されている税理士も多くいらっしゃいます。税理士事務所に勤務される税理士の方にとっては、基本支給される給与の他に、ボーナスについても大変気になる筈です。そこで、今回は、税理士事務所のボーナス事情について解説していきます。

ボーナスを受け取るタイミング

税理士事務所に利益が出ていれば、そこに勤務している税理士に対してボーナスが支給されるのが通例です。多くの税理士事務所では一般の会社員と同じく、夏と冬の2回支給のタイミングがあります。

また、それ以外に一応考えておくべきなのは、ある一定の成果をあげた時のボーナスです。これは、生命保険などを節税対策として提案しそれが成功した時、もしくは、新規の得意先を獲得した時などに歩合で入ってくるボーナスです。

生命保険などを節税対策として提案しそれが成功した時は1件ごとに10万円以上のボーナスが出るという事務所も多くあります。また、新規の得意先の獲得報酬は月額の顧問報酬のnヶ月分といったような形を取ることが多いようです。

実際のところ、こういった条件を満たした場合に、ボーナスが支給されるかどうか、及び、その金額については勤務する税理士事務所によると言えるでしょう。

税理士のボーナスの目安額…厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」について

「賃金構造基本統計調査」平成30年度版では、税理士の賃金について、税理士単体ではなく、「公認会計士、税理士」として一つのくくりで調査されているため、国の調査では、税理士単体のボーナス金額はわかりません。なので、税理士としての業務を行っていない公認会計士が、ボーナス金額を引き上げるか、もしくは、引き下げるかしている可能性があります。

また、一般企業その他に勤めている「公認会計士、税理士」と税理士事務所に勤めている「公認会計士、税理士」も一つのくくりで調査されており、分離していません。そのため、税理士事務所以外に勤めている「公認会計士、税理士」が、やはり、ボーナス金額を引き上げるか、もしくは、引き下げるかしている可能性があります。

以上の事を考慮に入れた上で、税理士事務所に勤務している税理士のボーナス金額の目安となるデータとして、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」平成30年度版の数値を見ていきたいと思います。

男女別比較

「賃金構造基本統計調査」平成30年度版の調査対象となった、男性の「公認会計士、税理士」の平均年齢は「38.1歳、女性の「公認会計士、税理士」の平均年齢は「40.5歳**」となっています。

35~39歳の「公認会計士、税理士」の男性の「年間賞与その他特別給与額」の平均額は「269万300円」、40~44歳の「公認会計士、税理士」の女性の「年間賞与その他特別給与額」の平均額は「197万200円」となっています。

男女格差がかなりあることに注意が必要なものの、ともに非常に高い水準の金額であると言えるでしょう。

事業所規模による比較

「賃金構造基本統計調査」平成30年度版に従って、性別及び年齢を考慮せず事業所規模だけで、「年間賞与その他特別給与額」を比較すると以下の金額となります。

事業所規模が「10人~99人」の場合、「99万5600円」。
事業所規模が「100人~999人」の場合、「64万200円」。
事業所規模が「1000人以上」の場合、「214万800円」。

このデータからは、事業所規模と「年間賞与その他特別給与額」とに、必ずしも、正の相関関係があるとは言えません。しかし明確に言えることは、1000人以上の規模の事業所の「年間賞与その他特別給与額」がダントツで高いことです。

月額給与との比較

35~39歳の「公認会計士、税理士」の男性の「所定内給与額」の平均額は「52万800円」。
40~44歳の「公認会計士、税理士」の女性の「所定内給与額」の平均額は「48万300円」。

以上より、男女ともに「年間賞与その他特別給与額」は「所定内給与額」の約5倍と言えます。月額給与5か月分がボーナスとして支給されているようなイメージでしょう。

他の職種との比較

他の職種と比較してみると、「公認会計士、税理士」の「年間賞与その他特別給与額」の平均額(214万8500円)は、医師の「年間賞与その他特別給与額」の平均額(90万400円)及び弁護士の「年間賞与その他特別給与額」の平均額(119万200円)より、かなり高くなっています。「所定内給与額」の平均額について比較すると、「公認会計士、税理士」(49万0700円)は医師(78万1100円)及び弁護士(53万5600円)に比べると低いです。そのため、医師より全体的な年収では劣るもの、弁護士より全体的な年収で多いという結果になりました。ただし、「年間賞与その他特別給与額」に限定すると、医師や弁護士より多くもらえていると言えます。

まとめ

以上より、男女格差がかなり存在するものの「年間賞与その他特別給与額」が高い水準にあること、1000人以上の事業所における「年間賞与その他特別給与額」は特にかなり高い水準であること、「年間賞与その他特別給与額」は「所定内給与額」の約5倍であること、医師や弁護士より「年間賞与その他特別給与額」が高いことがわかりました。

全体として、税理士のボーナスは魅力的な金額と言えるでしょう。

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