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簿記未経験者必見!複式簿記についてわかりやすく解説します!

HUPRO 編集部
簿記未経験者必見!複式簿記についてわかりやすく解説します!

フリーランスやこれから会計事務所で働こうとされている方にとって、複式簿記という言葉を目にすることは多いのではないでしょうか。複式簿記とはなんだろう?他にどんな簿記があるの?なぜ必要なの?と疑問だらけでしょう。今回はその複式簿記について簿記未経験の方にとってもわかりやすく解説していきます。

まず簿記について知ってみよう!

まず複式簿記を解説する前に、簿記について解説していきます。
簿記は、「帳簿記入」や「帳簿記録」といった言葉を略して「簿記」と呼ばれています。読んで字のごとく、商売の取引を帳簿に記入or記録していくことを簿記といいます。

企業や会社、フリーランスである個人事業者は商売をするにあたって、
◆融資を受ける場合には、銀行への決算書の提出
◆納税申告のため、決算書をもとに作成した確定申告書を税務署に提出 
といった必要があります。

この決算書は大きく二つに分けると、
貸借対照表」・・・期末時点の財産、負債を表すもの
損益計算書」・・・期中の売上、費用、利益を表すもの   
の2つに分類されます。

これらは財務諸表とよばれ、「簿記」のルールに従い、日々の取引を記録し、期末に集約されて作成されます。

もし簿記がなかったらどうなるか?

ここで、簿記の重要性を理解するため、簿記というルールがない場合を説明します。

例えば、100円の売上があり、その記録をしようとします。
A社では、そのまま100円の売上を記録しましたが、B社では、労力も時間もかかって売り上げたのだから、努力も加味して150円の売上を記録しようと帳簿上に記録したとします。
簿記のルールがない世界では、B社のような無茶苦茶な記録もあり得えてしまうのです。

その結果、銀行は会社の判断もできなくなり、税務署も本来の会社の稼ぎに対する課税ができなくなってしまいますし、B社自身も自社の経営状況の把握ができなくなってしまします。
そこで、どの企業でも共通の記録のルールである「簿記」を整備し、同じ取引であれば上記のA社もB社も同じ記録をしようと決めたのです。

単式簿記(簡易記帳)と複式簿記のちがいはなに?

一定の取引を例に違いを解説していきます。
例:A社は1月1日に 現金100円を保有
     1月3日に 100円の売上
     1月5日に 200円の売上
     1月8日に 300円の売上   

①単式簿記の場合

単式簿記は、1取引につき1項目を使用して帳簿に記録していく方法をいいます。

よって、例の場合
 1/3 売上100円 
 1/5 売上200円
 1/8 売上300円 
と3つの取引が記録され、この期間の売上は600円。
売上だけの記録が残されます。

単式簿記は簡易記帳とよばれるぐらいですので、売上だけなど簡単に一つの取引項目を把握したい場合はオススメします。

②複式簿記の場合

単式簿記の場合は1取引について片方の項目だけを記録していきましたが、複式簿記では1取引について2方面から着眼して取引を記録していきます。

よって、例の場合
 1/3 (借方)現金100円/(貸方)売上100円 
 1/5 (借方)現金200円/(貸方)売上200円
 1/8 (借方)現金300円/(貸方)売上300円 と3つの取引が記録され、
この期間の売上は600円、 
さらに、複式簿記では現金の流れも把握することができます。
100+100+200+300=700円を取引後には保有していると分かります。
 
簡単にいえば、単式簿記では取引を一つの方向から記録し、複式簿記では二つの方向から網羅的に取引を記録します。

複式簿記をするメリット

単式簿記の方が簡単そうなのに、複式簿記を選択するメリットは何でしょうか?
ここではわかりやすいように2つだけに絞って解説します。

①会社の「残高」を把握することで、会社の状況を判断できる
②青色申告による確定申告書の提出が可能になる

①会社の「残高」を把握することで、自社の状況を判断できる

上記の例で、単式簿記では売上だけしか判断できませんでした。さらにその売上についても裏付けとなる証拠がありません。

複式簿記ではどうでしょうか?
1取引について、現金と売上が把握できます。さらに現金という裏付けもありますので、実際に取引後の現金有高と帳簿上の現金残高が一致すれば、その売上は確実であるものと立証できます。

このように残高を把握することで、損益取引の確実性・信憑性も高まります。
他の取引も同様に複式簿記で記録していくことで、「貸借対照表」を作成することが可能になります。

会社は貸借対照表をみることで、期末時点の資産(現預金や固定資産)・負債(借入金など)の把握ができるので、自社の状況を判断することができるようになります。

②青色申告による確定申告書の提出が可能になる

企業やフリーランスが税金を税務署に申告する方法には、白色申告と青色申告と2通りの方法があります。みなさんも「青色申告はメリットがある」というイメージはお持ちではないでしょうか。
ここでは割愛しますが、青色申告には様々なメリットがあり納税額を軽減できたり、その年度の損失を翌年度以降に繰り越すことができたりと、青色申告のメリットはたくさんあります。

しかし、青色申告を選択するには複式簿記による記帳が要件となっています。

青色申告についてはこちらを参考にしてみてください。
参考記事:青色申告ってなに?どんなメリットがあるの?

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は複式簿記についてわかりやすく解説してみました。簿記という分野について最初はとっつきにくいものですが、理解していくうちに楽しくなってきますので、毛嫌いせずコツコツと挑戦してみてはいかがでしょうか?

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