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勘定科目コード、実は決まりがある!?勘定科目コードの活用法

公認会計士 大国光大
勘定科目コード、実は決まりがある!?勘定科目コードの活用法

経理業務をしていて最も悩むのが勘定科目ですよね。でも勘定科目の横に勘定科目コードがあるのはご存知かと思います。皆さんはこの勘定科目コード使っていますか?
今回は、勘定科目コードについてお話するとともに、勘定科目コードの活用法について解説します。

勘定科目コードの決まり!?

勘定科目コードを使って経理をしている人は、何度も仕訳を打っていくうちに自然とコードを覚えているかもしれません。反対に、勘定科目コードを使っていない人にとってはむしろどうでも良いと思っている人も多いかもしれません。
なんとなく、勘定科目コードは貸借対照表の順番に並んでいるということはわかっているかと思います。ですが、実は元々この勘定科目コードには決まりがあるのです。
元々、日本工業規格(通称JIS)によって勘定科目コードがそれぞれ決まっています。会計ソフトとは違い、元々は4桁の数字で表されていて、次のような要素が含まれています。

(1)大分類コード
(2)中分類コード
(3)小分類コード
(4)細分類コード

例えば1111というコードであれば、大分類コードは流動資産、中分類は当座資産、小分類は現金及び預金、細分類は現金というように、現金であることがわかります。多くの会計ソフトでは、111が現金となっていることでしょう。
ちなみに、建物はJISのコードでは2111となっています。多くの会計ソフトでは211となっていることでしょう。
つまり、中分類を除いたものを勘定科目コードにしていることがわかります。

勘定科目コードが無い場合はどうしたらよい?

元々JISで設定された勘定科目コードは今から30年以上前のものです。今では会計基準も大きく変わり、その時に使われなかった科目が現在は沢山あります。
例えば資産除去債務や減損損失等は当時会計基準になかったため、JISでは勘定科目コードは存在しません。
しかし、通常の会計ソフトでも新しい会計基準のうち中小企業では使う可能性の低い勘定科目については勘定科目コードが設定されていません。
そのようなときは、会計ソフトで任意の勘定科目の設定と共に、勘定科目コードを設定する必要があります。
法律上どのような勘定科目コードを設定しても全く問題はない為、999等の打ちやすいものを入れてしまいたい気持ちもわかりますが、ある程度先に紹介した勘定科目の分類表に沿うことが大事でしょう。
というのも、別の経理スタッフが勘定科目を打つ際に全く法則の無い勘定科目コードがあると入力しづらいですし、例え一人で経理をしている会社であったとしても後任の経理や税理士目線からすると変な勘定科目コードが入っているのは扱いづらいものです。

勘定科目コード、予測入力、どちらを使う?

会計ソフトにおいて、勘定科目の入力には、勘定科目コードを用いる方法と、予測入力といってローマ字を数文字入れることによって勘定科目候補から選ぶという方法があります。

経理初心者であるとローマ字入力の変換は視覚的にわかりやすく、多くの会計ソフトにこの機能がついています。この機能のおかげで素人でもある程度会計ソフトに入力できるようになったといっても過言ではないでしょう。
しかし、それでも勘定科目コードがあることや会計ソフトによっては勘定科目コードしか受け付けないものもあるくらいです。これは、勘定科目コード入力の方が早いという人が多い為です。
ということで、私は勘定科目コードからの入力をお勧めします。
最大の理由は、テンキー入力ができるため、素早く勘定科目を打てることにあります。予測入力では毎回キーボードに両手を載せなければならないところ、テンキーは常に右手で打てるためそれだけで入力速度は速くなります。
また、「支払手形」と打とうとすると、「shiharai」と打った時点ではまだ支払手形と支払利息が候補として残ってしまいます。支払手形を打とうとするたびに選択する手間が生まれますが、科目コードではすぐに勘定科目が確定するためわずらわしさから解放されます。
これ以外にも、会計ソフトによっては、支払手形を「siharaitegata」と打つか「shiharaitegata」と打つか、つまりは「si」と「shi」を別物として認識してしまうことがあります。こんな時何度も打ち直してしまったという経験、経理経験者にはよくあることだと思います。勘定科目コードでは当然このようなわずらわしさがありません。

勘定科目コードが覚えきれない!

かといって、全ての勘定科目コードを覚えきれるかというと、よほどの経理経験者でもそうはいきません。よく使う現金や預金、売掛金、買掛金に加えて、旅費交通費、交際費、支払手数料、雑費等の特定科目を10~15程度覚えておけばあまり出てこない科目は都度予測変換などを使うことで足りるでしょう。
勘定科目コードから打つことが早いとは言っても、無理に覚えようとして業務が進まなければ全く意味がありませんからね。

まとめ

勘定科目コードはある程度法則性があり、予測入力か迷った場合は勘定科目コードを覚えることをお勧めしました。これ以外にも、ショートカットキーやテンキーのみでなるべく仕訳が完結できるように、1秒を争う仕訳入力ですから自分で研究をすると意外と面白いですよ。

この記事を書いたライター

公認会計士、税理士。監査法人東海会計社代表社員、税理士法人クレサス代表社員。大学時代に公認会計士旧二次試験に合格後大手監査法人に就職し、27歳で独立開業。国際会計と株式公開支援が専門。セミナーや大学で講師を務めたり書籍の出版も行っている。
カテゴリ:コラム・学び

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