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引当金とは?どう仕訳する?わかりやすく解説!

HUPRO 編集部
引当金とは?どう仕訳する?わかりやすく解説!

引当金とは、企業会計において、将来発生する特定の費用または損失をあらかじめ当期の費用または損失として計上するときに使う金額のことです。具体的には賞与引当金・退職給与引当金・取り立て不能な売掛金などの貸倒引当金が該当します。本記事では、決算処理を行うにあたり、押さえておきたい引当金の仕分けや会計処理について解説します。

そもそも引当金とは?

引当金とは、企業会計においてこれから予想される費用や損失に備えるため、あらかじめそれを当期の費用として繰り入れて準備しておく見積もり金額のことです。
とはいえ、将来に支払わなければならない費用を全て引当金とできるわけではなく、引当金として計上するための条件は4つあります。

1.将来の特定の費用または損失であること
2.その発生に、当期以前の出来事が関わっていること
3.発生の可能性が高いこと
4.金額を合理的に見積もることができるもの

本来であれば、会計は発生主義のため、発生していない金額を計上することはおかしいのですが、仮に引当金を計上しなかった場合、それらの支払いが生じた時に貸借対照表の資産や負債の部が過大に表示されてしまうということになるため、上記の条件に合致する場合のみ、正しい期間損益計算のために引当金計上を認めています。

具体的な引当金については、以下のものが企業会計原則に掲げられており、発生の可能性が低いような偶発的な費用または損失については引当金計上はできません。

・製品保証引当金
・売上割戻引当金
・返品調整引当金
・賞与引当金
・工事補償引当金
・退職給与引当金
・修繕引当金
・特別修繕引当金
・債務保証損失引当金
・損害補償損失引当金
・貸倒引当金

代表的な引当金の勘定科目とその仕訳

それでは、ここで代表的な引当金について、その内容と仕訳を見ていきましょう。

(1)賞与引当金

「賞与引当金」はその名の通り「賞与(ボーナス)」に対して準備するために見積もり計上するための勘定科目です。

例えば、6月と12月に2回賞与を支給する会社が3月決算だとすると、6月賞与の支払に該当する前年度分の12~3月までは前期の決算に見積もって計上する必要があります。この時登場するのが賞与引当金です。

例)2020年6月賞与は2019年12月~2020年5月までの勤務に対するもの
→2019年12月~2020年3月までの支払い分:2019年度に「賞与引当金」として計上
2020年4月~5月までの支払い分:2020年度に「賞与」として計上

仕訳例)賞与の見積額1000万円のうち、賞与引当金の見積金額が800万円ある場合

・決算時の仕訳

・賞与支払い時の仕訳

仮に賞与全体の支給額が変わった場合は、引当金はそのまま計上して、賞与の金額で調整します。

(2)貸倒引当金

貸倒引当金は、売掛金のある取引先の倒産など、損失になるかもしれない金額をあらかじめ計上する引当金です。

例)3月決算のA社がB社に対して100万円の売掛金があるとします。しかし、売掛金を計上したものの、期をまたいで5月にB社が倒産したとします。
そうなると、収益と費用が異なる事業年度に発生していることになり、貸倒損失が発生します。この損失を防ぐために、あらかじめ引当金として計上しておくのが貸倒引当金です。

仕訳例)100万円の売掛金に対し、50万円の貸倒引当金を設定した

単純に仕分けをするとこうなりますが、もしこの時に設定済みの貸倒引当金が残っている場合は、当期の設定額と期末の残高との差額の分だけ貸倒引当金を計上します(差額補充法)

そして、実際に取引先が倒産し、売上を計上できなかった場合は、計上済みの貸倒引当金を差し引いて貸倒損失を計上します。

もし、貸倒引当金を計上していなかった場合は、全額を貸倒損失として計上します。

逆に、準備していた貸倒引当金が余った場合は、差し引いた金額を「貸倒引当金戻入」という勘定科目で仕訳します。

修繕引当金

(3)修繕引当金

建物や機械などの固定資産について以下のような理由によって、修繕費の支払いが翌期になる場合、当期に負担金額を引当計上するときに利用するのが「修繕引当金」です。

・定期的な修繕が何らかの理由により当期に行われなかった
・修繕が必要な事実が発生しているにもかかわらず、何らかの理由により当期に修繕が行われなかった

例)固定資産である機械について、来期の修繕に関し、決算時に修繕引当金10万円を設定したが、実際の修繕費は15万円かかった。

仕訳例)

修繕引当金を計上するとき

翌期に修繕を行った時(支払は振込)

なお、数年に1度行われるような大規模な修繕に対しては、「特別修繕引当金」を計上します。

当コラム内では、引当金についての記事を他にも公開しています。併せてぜひご一読ください。

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