2019年4月12日より「事業承継補助金」の公募が開始されました。
後継者発掘や経営革新を狙い、活発になる事業承継を国が資金面で補助する本制度の補助金取得までの流れや注意点をまとめてみます。
事業承継補助金とは、中小企業庁が実施している、事業承継、事業再編・事業統合をきっかけに経営革新等や事業転換を行う中小企業者に対して、経費の一部を補助する制度です。
膨大な数の中小企業が存在する日本で、経営の一手段として、後継者発掘による経営革新やM&Aが活発になっており、そうした中小企業の事業継承を資金面からサポートしようという背景で設立されています。
事業承継補助金には「後継者承継支援型」と「事業再編・事業統合支援型」の二つがあり、補助対象の条件は変わります。
対象となる取り組み
親族内承継/外部人材招聘など
満たすべき条件
・日本国内で事業を営む中小企業者である事
・地域経済に貢献している中小企業者である事
・承継者が次のいずれかを満たす事
・経営経験がある
・同業種に関する知識がある
・創業・承継に関する研修等を受講したもの
対象となる取り組み
合併/会社分割/事業譲渡/株式交換・株式移転/株式調達など
満たすべき条件
・「全ての被承継者」と「承継者」が、日本国内で事業を営む中小事業者である事
・地域経済に貢献している中小企業者である事
・承継者が現在経営を行っていない、または、事業を営んでいない場合、次のいずれかを満たす事
・経営経験がある
・同業種に関する知識がある
・創業・承継に関する研修等を受講したもの
また、中小企業者を対象にしていることから、事業者の人数規模についても業界毎に細かく取り決めがあるので注意しましょう。詳しくは こちら を確認ください。
補助金申請のために必要な書類は次の5点になります。
・応募申請書
・事業計画書
・認定支援機関による確認書
・再生計画策定にかかる証明書
・認定市区町村又は認定連携創業支援事業者による特定創業支援事業に係る確認書
事業計画書については、取り組みの独自性や実現性を伝える為の書類になり、採択されるかどうかの鍵になるものなので、きちんとつくりこみましょう。
事業承継補助金は、申請すれば全員が採択されるものではありません。
申請を満たしているか、また申請が採択される基準が何なのかについては、中小企業庁の特設サイトに記載があるので細かい点はこちらでご確認ください。
また、公募期間が限られていることにも注意しましょう。
2019年の公募期間は4/12(金)~5/31(木)までです。
採択されれば、「後継者承継支援型」については最大200万円、「事業再編・事業統合支援型」については最大600万円が支給されます。
※貴重な機会なので、対象の方は忘れずにお申し込みください。
また、特設サイトでは簡単な質問に答えるだけで申請類型がわかるフローチャートもあるので、対象の可能性がある方や申請の提案を考えている士業の方は一度お試ししてみてはいかがでしょうか。
※ 新しい取組みに加えて事業所や既存事業の廃止等を伴う場合は別途上乗せ額が存在します。