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株式交換比率の決め方は?

HUPRO 編集部2019.11.08

企業が組織再編をするための手法として、株式交換というものがあります。この株式交換は便利ではありますが、その為に株式交換比率を決めねばならない等、色々な面で煩雑さも伴います。
今回は、そんな株式交換比率の決め方について解説します。

株式交換比率とは?

株式交換比率を求めるためには、まず株式交換について知る必要があります。
株式交換とは、簡単に言えばA社とB社があった場合、A社がB社を子会社化する時にB社の株主にA社の株式を渡すことを言います。つまり、B社の株主はB社株式とA社株式を交換してもらうこととなります。
この株式交換の際にB社株主にどれだけのA社株式を交付するかを決めるのが株式交換比率となります。A社株式の評価が高ければ高いほどB社に交付される株式数は減ることになり、A社株式の評価が低くなるとB社株主に交付される株式の数は増えることとなります。よって、A社株主にとってはA社株価を高く評価してもらいたくなりますし、B社株主にとってはA社株式を低く評価してもらいたくなります。
このように株式交換比率をどうするかによってA社株主とB社株主との間で利害対立関係が生まれてきます。

株式交換比率の決め方

株式交換比率は、買収される側の企業と買収する側の企業のそれぞれの株価に応じて決められます。
上場会社であれば、市場価格というものが決まっている為ある一定時点での株価を参考にして決められます。問題は非上場会社同士や片方が非上場会社の場合です。非上場会社には株価が無い為、公認会計士等の第三者によって株価算定が行われます。株価算定の行い方や行う機関によって出てくる結果が異なることが多い為、どちらかの会社の利害関係者が株価算定を行ってしまうと後で問題となる可能性があります。

株式交換比率・株価算定の方法

①コストアプローチ

まず代表的な株式交換比率算定の際の株価算定手法として、コストアプローチが挙げられます。コストアプローチは企業の保有する財産や負債に着目して算出される方法となります。具体的には、時価純資産方式や簿価純資産方式が挙げられます。
時価純資産方式では、企業の資産及び負債について現在の時価に引き直した上で資産から負債を引いた時価純資産を企業の価値として株価を算出します。
簿価純資産方式では、企業の決算で求められた簿価の資産から負債を差し引いて簿価純資産を算出し、これを基に企業の株価を算出します。
時価純資産は企業の財産の含み損益を反映させるのに向いており、簿価純資産は時価の取り方によって変動する株価の要素を排除している部分でメリットがあります。
しかし、どちらも企業の一時点での精算価値を表しているだけにすぎず、企業の今後の収益獲得能力については触れられていない点でデメリットがあると言えます。しかし、時価純資産も簿価純資産も過去の決算を基に算定されることからある一定の合理性が認められるため、株価評価の際には少なくとも参考価格として提示されることが多い方式となります。

②インカムアプローチ

インカムアプローチは、企業に流入するキャッシュフローに着目した株式評価方法となります。
具体的には、配当還元方式や、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法等が挙げられます。
配当還元方式は企業が過去に行ってきた配当や、今後行うであろう配当金額に着目し、株価を算定する方式です。特に支配権をほとんど持たない株主にとっては経営権よりも配当金がいくら今後入ってくるかが重要となってくるため、少数株主にとっては配当還元方式によった株価算定がしっくりくるでしょう。
また、DCF法では企業の事業計画に基づいて将来入ってくるだろうキャッシュフローの金額を基に株価を算定します。コストアプローチとは違い企業の将来性に着目した数値である点で優れていると言えます。
ただし、インカムアプローチでは将来の配当計画や事業計画が合理的でないと考えられると株価に意味がなくなってしまう上に、客観性に乏しいということでコストアプローチと併せて使われることが多い手法となります。

③マーケットアプローチ

マーケットアプローチとは、株式の市場価値に着目した方法です。具体的には自社に似た上場企業を当てはめて株価を算出する類似会社批准方式という手法と、自社の業種に当てはめて株価を算出する類似業種批准方式という手法があります。
株主が投資した資本を回収する方法としては、配当以外にその株式そのものを売却することによって得られるキャピタルゲインが考えられます。よって、企業価値というのはその市場価格を無視することはできないためマーケットアプローチは株価算定の際に有効であると言えます。
しかし、類似する上場企業がなかったり、そもそも株主がキャピタルゲインを目的として株式を持たなかったりする場合には評価としてそぐわない可能性があります。とはいえ、マーケットの価値を取り入れるこの手法は多くの株価評価で用いられるものとなっています。

カテゴリ:コラム・学び
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