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源泉所得税と所得税の違いは?源泉徴収税額の計算方法も解説

HUPRO 編集部2019.11.08

サラリーマンの給与明細書にある「源泉所得税」ですが、「所得税」と何が違うのでしょうか?2つは同じ所得税という言葉がついていますが、その性質は大きく違います。経理担当者はもちろんサラリーマンやフリーランスでもその仕組みを知っておいて損はありません。この記事では源泉所得税と所得税の違いについて解説します。

源泉所得税とは

源泉所得税とは、給与等の支払者が納税者(給与であれば給与所得者)に代わって納税するために、納税者から徴収する所得税のことをいいます。本来所得税は、所得者本人が確定申告を行って支払うものです。これは、1年間の所得額に応じて算出されますが、一括して納税するとなると所得者にとっては大きな負担となります。そこで、給与を支払う度に、給与支払者が所得者にかわって、源泉所得税を納める制度が採られています。これを「源泉徴収制度」といいます。

源泉所得税と所得税の違いは

一言でいえば、源泉所得税は所得税の一種で、納税者本人にかわって会社が納めてくれているといえます。

源泉所得税の対象になる「所得」とは

源泉徴収が必要となる所得には、給与、賞与、役員報酬、退職金、弁護士や税理士に支払う報酬などがあります。また、外部の業者に業務を委託した際、業者が法人であれば源泉徴収は不要ですが、個人の場合は源泉徴収が必要になる場合があります。ライターに支払う原稿料やデザイナーに支払うデザイン料は、源泉徴収が必要になるケースです。

源泉所得税の計算方法

各所得の源泉所得税の計算方法は次のとおりです。

給与の源泉所得税の計算方法

給与の源泉所得税を計算するには、まず基準となる給与を確定しなければなりません。基本給、残業代などを計算しその月の給与を確定した後、社会保険料を差し引いた金額が基準となる給与になります。次に源泉徴収税額表を参照して源泉所得税を算出します。

賞与の源泉所得税の計算方法

賞与の源泉徴収税を計算するには、給与とは別に「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」があるので、そちらを利用して算出します。

退職金の源泉所得税の計算方法

退職金の源泉所得税については、優遇処置が認められています。
まず退職所得額を確定します。
【退職所得額=(退職金の額-退職所得控除額)÷2】
退職所得控除額は、勤続年数によって決まります。退職所得の金額が確定したら、「退職所得の源泉徴収税額の速算表」を使って源泉所得税を算出します。

報酬の源泉所得税の計算方法

外部に業務を委託し、その報酬を支払った場合の源泉所得税は委託した業務によって計算方法が異なります。例えばライターに記事の執筆を依頼した場合の源泉所得税は次のように計算します。
・支払われる額が100万円以下の場合は、支払われる額×10.21パーセント
・支払われる額が100万円以上の場合は、(支払われる額-100万円)×20.42パーセントの金額に10万2,100円(100万円×10.21パーセント)を足した金額になります。
100万円を超える部分を20.42パーセントで、100万円を10.21パーセントの税率で計算します。なお上記金額には復興特別所得税を含んでいます。
復興特別所得税とは平成23年12月2日に公布された「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」に基づき、平成25年1月1日から平成49年12月31日の間に生ずる所得について源泉徴収を行う際、復興特別所得税が併せて徴収されます。上記の式の0.21%(100万円以上の場合は0.42%)がこれに当たります。

源泉所得税の納税期限

徴収した源泉所得税は、翌月10日までに税務署に納めます。ただし給料等の支払い人数が常時10人未満で、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出していれば1月から6月に支払った給料の源泉所得税を7月10日まで、7月から12月に支払った給料の源泉所得税を1月20日までに納付することができます。また源泉徴収をせずに給料などの支払をすると、不納付加算税として納付額の10パーセントが課されるので注意が必要です。

源泉徴収されてもそれで終わりではない

源泉徴収で納付する所得税はあくまで概算の金額です。たとえば所得税には生命保険料控除などさまざまな控除があります。これらは年末調整で考慮され、正確な年収が確定したら改めて所得税を確定させる必要があります。また、医療費控除や住宅ローン控除(1年目)などは、確定申告をしないといけません。年収2000万円超える人なども確定申告をする必要があります。

まとめ

源泉徴収制度は、給与などの支払を受ける側からすると負担が軽減されますが、会社など事業者にとっては逆に煩雑な制度です。しかし、国家の確実な税収確保を担保している面があるのでこの義務を履行しないと罰則を課せられます。会社などの事業者はこのことを理解して適切に対応することが必要です。

カテゴリ:コラム・学び

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