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どこまで経費として落とせるのか迷うケースについて

HUPRO 編集部
どこまで経費として落とせるのか迷うケースについて

会社としてはできるだけ経費として使いたいものですが、「これは経費として考えても良いのかな?」と迷う場面もあるのではないでしょうか。経費に上限はありますが、使えば使うほど出費は大きくなりますし、それにより業績が苦しくなることは避けたいものです。今回は、経費として落とせるのか迷うケースについて解説していきます。

残業をしている社員に対する食事代

繁忙期などに遅くまで残業をしている社員を労い、食事代を出した場合は、経費となるのでしょうか。また、食事そのものである現物を支給した場合と、食事代として金銭を支給した場合と、立替金を支給した場合では、それぞれ異なるのでしょうか。

まず、食事を支給した場合、これは福利厚生費になります。食事代の金銭を支給した場合は給与に、立替金を支給した場合は福利厚生費です。食事を支給した場合は、会社が食事代を負担しているので、福利厚生費として扱われます。

また、対象となるのは、通常の勤務時間以外に業務をしていた社員のみです。そして、食事代の金銭を支給した場合は、食事を支給したことにはなりません。支給額が全額給与として扱われることとなり源泉所得税の対象となるのです。ただ、深夜勤務者に対しての一定額の食事代は課税対象とは扱われません。

そして社員が立替えていた食事代を支給した場合は、福利厚生費です。ただし、このようなケースの場合は、会社名が記入された飲食店の領収書を社員より受け取る必要があります。

社員旅行で使った旅費

日頃の労いを込めて社員旅行費を会社で負担したい場合、どのようにすれば経費になるのかについて、お話しましょう。まず、社員旅行が福利厚生費として認められるには、3つの条件があります。

その条件とは、社員旅行が4泊5日以内であること(海外旅行の場合は海外での滞在日数)、従業員の半数以上が参加していること、旅費が社会通念上許されると考えられる範囲であること(10万円以内が目安)、このようなケースです。

旅費が高額である、社員旅行に行かなかった従業員に支払った金銭や、私的旅行と思われるような旅行などに関しては、経費としては認められません。また、社員旅行に行かなかった従業員に仕払った金額は給与扱いとなり、さらに、社員旅行に参加をした従業員に対しても同額が給与所得として扱われてしまいますので、要注意です。

接待後に顧客に渡した領収書のないタクシー代

接待が終わり、顧客にタクシー代を渡したという場合です。タクシーに乗車する前の顧客に現金を渡したので、領収書もありません。このような場合は経費として扱われるのでしょうか。

このケースにおいてのタクシー代は「渡切交際費」として扱われます。渡切交際費とは、交際費などの目的として金銭を支出したものの、その使いみちや金額が分からないものを指します。「交際費」という言葉はついているものの、使途が不明なので、税務上は交際費として扱われることはありません。それどころか、金銭を受けとったとされる役員または社員が任意に使うことができることにより「給与」としての性質をもっていると考えられます。そのため、受け取った人には、所得税が課されることとなるのです。

また、この渡切交際費というのは、「何に対していくら使ったのか」は会社が把握できていないことを示しており、これはリスクとなります。コンプライアンスにも影響する恐れがありますので、気をつけてください。

社内サークル活動にかかった費用

社内でサークルを創設し、会社が活動費を一部負担している場合、この費用は経費になるかどうか、というケースです。この場合は、条件付きではあるものの、福利厚生費として扱われます。ちなみに条件とは、サークルには誰でも参加することができること、打ち上げや祝賀会の飲食代は会議費程度であること、会社の補助金がきちんと目的通りに明確に使われていること、この3つです。

ただし、同じ社内サークルであっても次のようなサークルの場合は、給与または交際費として扱われることがあります。主なものとしては、得意先の人も参加している、特定の従業員しか参加できない、会社の補助金が通常の範囲を超えている、といったような場合です。このようなケースは給与として扱われますので、ご注意ください。

接待ゴルフの際に使った高速道路料金は旅費交通費?交際費?

接待ゴルフの際の高速道路料金は、交際費です。ちなみに交際費とは「会社が得意先や仕入先などの事業に関係している人に対し、接待などをするための行為に必要となった費用」のことをいいます。高速代とゴルフは関係がないので、交通費となりそうですが、接待のために使用された高速道路料金なので交際費として考えられるのです。

ただ、ゴルフをどういう関係者とプレーしていたのかが重要です。取引先の人とプレーした場合は交際費でいいでしょう。ただ、友人を誘ってプレーしていた場合は、事業と関係がないため経費とは扱われず、役員給与(損金不算入)となります。

まとめ

経費として扱われるのであれば経費で計上したいところですが、迷ってしまうケースも少なくありません。また、経費とばかり思い込んでいたものが、実際は違っていたということもあるでしょう。迷った時は税理士に相談するなどして、適切に会計処理するようにしてください。

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