事業会社経理に転職をしようと考えているけど、事業会社ってどのように選べば良いのだろうと悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
現在監査法人や会計事務所に勤務されている公認会計士の方が、事業会社への転職をする際に注意するポイントや企業の選び方などを、本記事では解説していきます。ぜひご覧ください!
公認会計士の方々が事業会社の経理部に転職する場合は、その会社でCFOや経理部長になりたい、あるいは経理部員として決算実務を経験したいといった場合がほとんどかと思います。
そういった点を踏まえた上で、筆者が考える事業会社に転職する際に会社を選ぶポイント・留意すべき点は主に以下の4点になります。
名が知れた大企業を転職先として選ぶか、あるいは中小企業やベンチャー企業を選ぶかどうかは、ご自身が今後どういったキャリアを積んでいきたいかによって変わってくるでしょう。
大企業を転職先として選ぶことの方をお勧めします。大企業の方が福利厚生や年収といった点で安定したキャリアを送ることができ、海外での仕事のチャンスも多いでしょう。
一方でそのような企業は、人気があり中途採用の倍率も高く、入社すること自体が難しい場合が多いです。
中小企業やベンチャー企業を転職先と選ぶことが有利といえます。会社の資金調達業務といった重要な業務に携わる機会も得られる他、ベンチャー企業のCFOであれば経営戦略に携わることもでき、やりがいは非常に得られるでしょう。
一方で中小企業やベンチャー企業は社内体制が整っていないことに起因して、大企業の経理部門より業務面の負荷が高い場合が多いように見受けられます。また福利厚生や年収面でも大企業や前職よりも劣ってしまうケースが多いでしょう。
転職先とする会社の業種は、監査法人や会計事務所に在籍していた際に関与していた業種と同じか、近い分野の方が望ましいでしょう。
筆者は監査法人では関わることのない、外資系の金融機関に転職しましたが、その会社のビジネスや規制、決算内容を理解することに苦労しました。見知った分野の業種であれば、ビジネスや商慣行等について前提となる知識があるため、転職後も苦労せずその会社の決算内容やビジネスについて理解できるかと思います。
また組織体制については経理部門がその会社においてどのような役割を担っているかを確認した方が望ましいと言えます。例えば、単純に月次、四半期、年次決算のみを行っているだけなのか、あるいは経営企画的な予算管理等の管理会計も担っているかといった点です。
経理部門の役割は、ご自身が転職先の会社でどのような仕事に携わり、どういったキャリアを築きたいかといった点にも密接に関わってきますので、留意した方が望ましいでしょう。
公認会計士が事業会社の経理職で採用される場合、やはり会計や監査面での専門知識を期待されていることが多いでしょう。
一方で、CFOや経理部長としての待遇で採用される場合には、専門知識のみではなく、例えば管理体制の構築や銀行、証券会社等の外部関係者との折衝といった役割も期待されてきますでしょうし、労務管理や総務的な仕事も任されるかもしれません。
単純に経理部員として採用されるのであれば、会計や監査面での専門知識が備わっていれば問題はないでしょう。
転職する際は、そのポジションがご自身の経験やスキルと照らし合わせて一番能力が発揮できそうなポジションであるかまたは、どんなキャリアを描きたいかで選ぶと良いでしょう。
会社の風土や人間関係についても留意した方が望ましいと言えます。
例えば残業に関する考え方です。最近では残業時間の抑制が重視される風潮になり、過度な残業をする会社は少なくなってきているかとは思います。最低限、転職しようとしている会社が、ワークライフバランスが取れそうな会社かといった点は確認しておいた方が良いかと思います。
また、一緒に働く可能性があるメンバーについても、可能であれば確認しておいた方が望ましいと言えます。監査法人や会計事務所でもチーム単位で仕事をすることが多いかと思いますが、チームで合わないメンバーがいればそのチームから外してもらうことも可能です。
一方で事業会社の場合、上記のような対応をすることは難しいと言えます。面接などの際、例えばCFOや経理部長とご自身の考えが合いそうかといった点は留意した方がよいでしょう。
《関連記事》経理職への転職は下記の記事でも詳しく解説しています。
公認会計士が事業会社に所属して活躍するケースは今後も増えてくるでしょう。
その中で自分がどうなりたいかというキャリア軸とその他の条件を上手に噛み合わせて、最適なキャリア選択ができることを願っています。
また転職先の会社の内部事情や業務内容を知る一つの手段として転職エージェントに相談するという選択肢もあるので、ぜひご活用ください!
下記の記事は、事業会社で働く公認会計士のインタビュー記事になります。是非ご覧ください。