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適時開示制度って?適時開示制度によって求められる情報とは?

HUPRO 編集部
適時開示制度って?適時開示制度によって求められる情報とは?

上場企業においては、投資家が正確な情報をもとに取引ができるよう、即座に情報を発信することが求められます。この情報には「適時開示制度」と「法的開示制度」があるのですが、これらはどのような制度なのでしょうか。今回は、主に適時開示制度をメインに解説していきます。

適時開示制度とは?

適時開示制度とは、証券取引所で上場をしている企業が東京証券取引所の上場規定というものに基づき、企業の情報を即座に開示しなければならない義務のことをいいます。例えば、投資家が投資をする際の判断に大きな影響を与えるような経営方針の決定をした場合や、投資家の判断に大きな影響を与える事実が起きた場合に、この適時開示制度が適用されます。

法的開示制度とは?

一方の法的開示制度とは、証券取引所で上場をしている企業が財務内容などを記載している有価証券報告書や四半期報告書を電子媒体によって内閣総理大臣に宛てて提出する義務のことをいいます。

適時開示制度や法的開示制度はどのように行われる?

適時開示制度は、投資家にとって重要な企業情報が開示されるというものです。そのため、投資者に向けて報道機関などを通じて公表するか、または直接的に伝達するというかたちがとられます。直接的とはどういうものかというと、適時開示情報閲覧サービス(TDnet)を使った開示です。

日々めまぐるしく変化をする経済情勢においては、定期的に開示される法的開示制度のみでは不十分であると考えられています。そのため、企業の最新情報をタイムリーに、そして正確に開示される適時開示情報の重要性は高いです。また、企業の任意による情報開示においても、投資家へ公平に情報が周知されるよう、できる限りTDnetを利用して情報開示が行われることが望ましいとされています。

一方の法定開示制度も、内閣総理大臣に宛てて情報が提出されるとはいえ、適時開示制度と同じく、投資家が情報を得ることができるシステムになっています。ですので、法定開示制度も閉鎖的に扱われるわけではありません。内閣総理大臣に報告された情報は、金融庁によって管理されているEDINETと呼ばれる電子開示システムにより公表されるほか、インターネットでも閲覧ができる状態となります。

適時開示の情報は条件を満たしている必要がある

適時開示情報によって公表される情報は、どんな情報でもいいというわけではありません。企業にとって重要な情報を開示することになるため、以下のような5つの観点によって公表されることが求められます。

1. 情報が開示される時期は適切であるか
2. 適時開示情報によって公表された情報に虚偽はないか
3. 適時開示情報により公表された情報のなかに投資判断をするうえで重要とされる情報が抜けていないか
4. 適時開示情報により公表された情報が投資判断をするうえで誤解を招くようなものではないか
5. そのほか、適時開示情報による公表の適正性にかけている面はないか

なお、東京証券取引所が必要であると判断し、上場企業に対して情報開示を請求した場合は、上場企業は直ちにその情報について正しく報告しなければならないということが義務化されています。また、東京証券取引所だけではなく、東京証券取引所より自主規制業務の受託を受けている日本取引所自主規制法人も同じく情報を照会する仕組みができています。万が一、この情報開示の義務に基づいた適時開示制度を行わない場合や、情報が正しく報告されていないような場合は、上場を廃止するなどのペナルティが課される場合もあるので注意が必要です。

適時開示制度の情報は株価に大きく影響する

実は、法的開示制度によって公表される有価証券報告書などは、株価にはほぼ影響を与えることはありません。仮に何らかの影響が出たとしても、公表されてすぐに株価が変動するようなことはないのです。これは、四半期報告書についても同じことがいえます。

これに対し、適時開示制度によって公表される情報は、即座に株価に影響を与えます。企業の株価というものは日々変動しているものですが、その要因のなかでも大きな割合を占めているのが、この適時開示制度による情報です。つまり投資家は、法的開示制度の情報に注目しつつ、適時開示制度の情報を重要視している状態といえるでしょう。

まとめ

適時開示制度による情報は投資家の判断に大きな影響を与えると判断される情報です。それだけに、株価にも即座に反映されやすいです。このような重要なものであるため、適時開示制度によって公表された情報が正しく報告されていないような場合は、企業に対してペナルティが課されることもあります。上場廃止のペナルティを受ければ、資金調達も困難になり、取引先との取引もスムーズにいかなくなるなど、大きな問題に発展することは間違いないでしょう。そのため、それだけリスクがあることを認識し、慎重に情報を公表する必要があるといえます。

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