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「法定調書」とは?その手続きの概要について解説します

HUPRO 編集部
「法定調書」とは?その手続きの概要について解説します

法定調書とは、「所得税法」などの規定によって税務署に提出が義務づけられている資料のことを指します。現在、法定調書は60種類ほどありますが、本記事では、会社の経理担当者として知っておきたい給与や報酬にまつわる法定調書についてその内容や手続きの概要を解説します。

法定調書とは?

法定調書とは何か1つの書類を差す言葉ではなく、「所得税法」、「相続税法」、「租税特別措置法」及び「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」の規定により税務署に提出が義務づけられている資料全てを指します。
その種類は60種類あり、詳しくは国税庁のWEBサイトで確認することが可能です。
国税庁 法廷調書の種類

ここでは、会社の経理担当者が良く目にする、以下の4つの法定調書について解説します。

1.給与所得の源泉徴収票

会社員もしくはアルバイト・パートに源泉徴収(所得税をあらかじめ給与から引去る事)をした場合ついては、源泉徴収票を作成・配布する必要があります。
源泉徴収票は4枚つづりとなっていて、うち上2枚が「給与支払報告書(市区町村提出用)」で、下2枚は「源泉徴収票(本人交付用・税務署提出用)」です。
名称は異なりますが、様式は同じです。
国税庁 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数

2.退職所得の源泉徴収票

退職所得の源泉徴収票を提出しなければならない方は、法人の役員に対して退職手当、一時恩給その他これらの性質を有する給与の支払をする方です。
「退職所得の源泉徴収票等」等は、退職手当等を支払った全ての方について退職後1ヶ月以内に作成し交付することとされていますが、「退職所得の源泉徴収票」を税務署と市区町村へ提出しなければならないのは、受給者が法人の役員である場合に限られています。なお、この場合の役員には相談役、顧問その他これらに類する方が含まれます。
国税庁 「退職所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等

3.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

弁護士や税理士等に対する報酬、作家や画家に対する原稿料などの報酬、料金、契約金及び賞金の支払をする方は、その金額に応じて「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を支払者の所轄税務署へ支払った年の翌年の1月31日までに提出しなければなりません。
提出範囲は業務内容などによって異なります。詳しくは国税庁のWEBサイトをご確認ください。
国税庁 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等

4.不動産の使用料等の支払調書

不動産、不動産の上に存する権利などの対価の支払をする法人と、不動産業者である個人の方はその支払額が年間15万円を超える場合に、法人のときは更新料が年間15万円を超えた場合に「不動産の使用料等の支払調書」を提出する義務があります。
ただし、不動産業者である個人のうち、主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる方や、法人に対して、家賃や賃借料のみを支払っている場合は、支払調書の提出は必要ありません。
国税庁 「不動産の使用料等の支払調書」の提出範囲等

5.不動産等の譲受けの対価の支払調書

譲り受けた不動産や不動産の上に存する権利などの対価の支払について、同一人に対するその年中の支払金額の合計が100万円を超える法人と、不動産業者である個人は「不動産等の譲受けの対価の支払調書」の提出範する義務があります。
国税庁 「不動産等の譲受けの対価の支払調書」の提出範囲等

6.不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

不動産、不動産の上に存する権利などの売買又は貸付けのあっせん手数料の支払をする法人と不動産業者である個人の方で、同一人に対するその年中の支払金額の合計が15万円を超える場合に「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」の提出義務が生じます。
ただし、不動産業者である個人のうち、主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる方は提出義務がありません。
国税庁 「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」の提出範囲等

マイナンバー等の記載について

平成28年1月1日以後の金銭等の支払等に係る法定調書については、金銭等の支払を受ける方及び支払者等のマイナンバー又は法人番号を記載する必要があります。
しかし、記載するのは提出分のみで、支払を受ける方に交付する「給与所得の源泉徴収票」などについては、マイナンバーを記載しませんので注意が必要です。
なお、令和3年12月31日までは、マイナンバー及び法人番号の告知について猶予規定となっており、その間は告知を受けるまでは、マイナンバー又は法人番号を記載しなくてもよいこととされています。
令和元年現在はまだ猶予期間中ですが、いざ必須になった時に困らないように、法定調書が必要な支払先からのマイナンバーの取得を進めていく必要があります。

法定調書の作成と提出期限について

法定調書は原則として、支払の確定した日の属する年の翌年1月31日までに支払事務を取り扱う事務所、事業所等の所在地を所轄する税務署長に提出しなければなりません。
法定調書を税務署へ提出する場合には、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を作成し、添付しましょう。

なお、法定調書の枚数が100枚以上になる場合は、令和3年1月に提出する「給与所得の源泉徴収票」は、e-Tax又は光ディスク等により提出する必要があります。
今までは1000枚以上だったのですが、平成30年度の税制改正において基準が変更されました。令和元年現在はまだ移行期間中ですが、該当する場合はこちらの準備も進める必要があるでしょう。
国税庁 「手続名」支払調書等の光ディスク等による提出申請及び本店等一括提出に係る申請手続

なお、法定調書の提出義務者は、「給与支払報告書」及び退職所得に係る「特別徴収票」を受給者のその年の翌年の1月1日現在の住所地の市区町村に提出する必要があります。こちらは、税務署への「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と異なり、全ての受給者の給与支払報告書を提出する必要があるので、注意してください。

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