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キャッシュレス化による経理業務への影響は?

HUPRO 編集部
キャッシュレス化による経理業務への影響は?

経理業務の中で、意外に手間がかかるのが小口現金による経費精算。従業員サイドから見ると、すぐに現金を受け取ることができて便利なのですが、経理担当者からすると、事務所に現金を置くことによる入出金管理にかかる労力はかなりの負担となっています。本記事では経理業務をキャッシュレス化した場合の影響について解説します。

キャッシュレス化とは

「経理業務」と一口に言っても、取引先への請求や支払、仕入れや売り上げの管理、従業員の給与や立替金の精算など、日常的な業務でも多岐にわたる内容があります。いずれも業務内容が細かく、お金に関することなのでミスは許されないものばかり。請求書や提出された証憑チェックなども1名ではなくダブルチェックで行う必要があるといったように、何かと人的リソースを割くことの多い業務となっています。

経理業務を何とか効率化して、本来の業務である経営管理を行いたいと考える企業が多く導入しているのが、現場や事務所の現金管理を行うことを取りやめる経理業務のキャッシュレス化です。具体的には以下のような内容があります。

従業員の経費精算を現金ではなく振込みにする

従業員が使った経費や仮払精算を、小口現金から直接受け渡しするのではなく従業員の給与口座などに後日振込みにする方法です。

経費精算は全て法人カードで行う

法人で専用のクレジットカードを作り、経費精算は全てそちらから行うようにします。教養のカードだと管理業務が生じるので、社員ごとに経費精算用のクレジットカードを配布し、そちらで経費精算を行ってもらう方法もあります。

法人名義の電子マネーで経費精算する

営業などで交通機関をよく使う場合は、法人名義でSuicaやPASMOなどの電子マネーを作り、交通費などをキャッシュレスで管理します。

キャッシュレス化によるメリット

会社の経理業務をキャッシュレス化することによって、企業での無駄な業務を省き、生産性のアップに寄与することができます。具体的なメリットについて、以下で見ていきましょう。

現金管理の労力とリスクの軽減

事務所に小口現金を置くと、現金を管理するための業務負荷があります。1円単位で帳尻を合わせる必要があるため、その確認のためにかなりの時間を費やすことも珍しくありません。また「小口」というように多額の現金を置くのは防犯上のリスクがあるために、少額の現金なのですが、精算が立て込むと現金がなくなるため、常にある程度の額を保持するために、その都度銀行に行って引き出すという業務もあります。
さらに、目の前に現金があるという事から横領や盗難のリスクもあります。
キャッシュレスにすることにより、現金管理の業務がなくなるので、手間とリスクを無くすことができます。

経理業務の効率化

決済後のチェックがすべてデータで残るため、記録や集計の手間が省けます。また、法人カードについては法人口座から引去りされ、振込みも自動的に行われるので漏れがありません。また、利用履歴も全てシステムに残りますので、チェックも簡単です。入力や支払間違いによるミスが減ることにより、経理業務の効率化を図ることができます。
また、使用履歴が直接データ化される会計ソフトを導入すれば、帳簿の記帳の手間も省くことができますし、履歴があっても精算処理が終了していない経費をチェックできるので、証憑を未提出の従業員を確認することも容易です。

ポイント付与の還元で経費節減も

例えばクレジットカードの場合は、使うたびにポイントが加算されるので、そのポイントで備品を調達したり、ホテルやレンタカーサービスなどに交換したりするも可能。カードによっては様々なサービスの割引が受けられる場合もあるので、結果的に経費節減にもなります。

キャッシュレス化する場合は経理の精算方法やシステムも見直しを

経理業務を始め、事業者側へのメリットが多い経理のキャッシュレス化ですが、実際に経費を立て替えしている従業員にとっては、その場ですぐに現金で帰ってこないと困るという声も根強いものです。
しかしながら、従業員も精算に個人のクレジットカードや電子マネーを利用するなどすれば、利用履歴を確認できるので、経費精算忘れを防ぐことにもなるなどメリットもあります。
(個人のクレジットカードのポイントやマイルなどの利用については、各企業の社内規定を確認しましょう。出張などの経費精算が多く、ポイント取得が多額の場合は確定申告が必要な場合もあります。)
また、現金で建て替えが必要な場合は、事前に仮払いで口座振込みするという手続きも可能です。
キャッシュレス導入に当たっては、従業員においてもスムーズに移行できるように、事前に業務フローの変更点などをしっかりと準備してすり合わせたうえで臨むようにしましょう。

また、小口現金で発生しがちな備品購入についても、最近では通販でまとめ買いの方が安価に手に入れられることもあります。そのため、全社で同じ業者を使って、個々で精算することを無くしたり、郵便や宅配便なども後納や後日請求にしてもらって振込み対応にしたりするなど、なるべく現金を出して取引を行うことがないように、日常業務の細かいところから意識を変えていきましょう。

この記事を書いたライター

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