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理論株価について!求め方計算方法含めて解説します!

HUPRO 編集部
理論株価について!求め方計算方法含めて解説します!

投資関連の仕事をされている方なら、理論株価というワードを目にしている方は多いと思います。市場で実際に取引されている株価と、比較して株式購入の目安にされることもあるでしょう。多くの著名な投資家もこの理論株価を活用しているのです。今回は、その理論株価について解説していき、その求め方もご説明します。

理論株価とは?

《理論株価=本来あるべき株価》
理論株価とは、業績や財務情況から算出された株価です。理論株価と実際の株価を比較して、実際の株価が高ければ「割高」低くければ「割安」となります。
それとともに企業が将来的に稼ぎ出すキャッシュフローあるいは経済価値の現在価値が株価であると考えるもので、何種類かの計算モデルがあります。

また、優先株や転換権付き社債その他派生商品などの市場価格から逆算した株価、M&Aなどによる合併などを考慮した株価など特定のシチュエーションで計算される株価も理論株価とよばれます。M&Aにおいては、企業価値、つまり会社の値段を算出する際に、この理論株価を参考にします。

理論株価の計算方法とは?

株式投資を行う上でも、この理論株価を活用する方は多いです。
株式を買うという行為は、会社の一部を買うということになります。M&Aでいうところの会社の値段を割り出して、どのくらいの値段で会社を買収するかという行為と同義であるといえます。

すなわち個人投資家も株式購入で利益を得たい、成功したいと考えるのであれば、経済的価値(現在の保有資産と将来稼ぐ利益の大きさ)を把握して適正な買収金額を算定する必要があります。
この概念から、理論株価の計算方法が3つ挙げられます。

①企業価値評価手法を使った計算式
②PERを使った計算式
③BPSとEPSを使った計算式(2種類)
これら3つの計算式の詳細を説明していきます

①企業価値評価手法を使った計算式

企業価値を発行済み株式数で割って求めることになります。

まず、企業価値を算出する計算式をご紹介します。
企業価値=株式時価総額+純有利子負債(有利子負債-現金・預金等)
つまり1株あたりの企業価値(株主価値)ということです。
理論株価=企業価値-(純有利子負債+現金同等物)
この計算式での株式価値は、帳簿から割り出して計算された株価です。これが理論株価ということになります。
実際の市場での株価が理論株価(適正株価)より安い場合、その株式は割安ということになり、もし実際の株価のほうが高ければ割高と判断されるのです。

②PERを使った計算式

理論株価 = 1株あたり純利益(EPS) × 適正とされるPERの水準(10~20※)
「1株当たり当期純利益(EPS)」とは、1年間の企業活動で株主にもたらされる利益となります。
その算出方法は、
EPS(円) = 当期純利益 ÷ 発行済株式総数
次に、PERとは、株価が割安か割高かを判断するための指標です。
株価収益率(Price Earnings Ratioの頭文字をとっている)のことで、利益から見た「株価の割安性」。株価が「1株当たりの当期純利益(1株益)」の何倍になっているかを示す指標となります。
PERを割り出す数式を紹介してみると
PER=株価÷1株当たり当期純利益(EPS)
※一般には、PER15倍くらいが適正な水準といわれますが、業種に合わせて、PERの水準を変えて計算するとよいため、適正とされるPER水準は10~20としています。

③BPSとEPSを使った計算式(2種類)

理論株価 = EPS × 10 + BPS
EPSの算出方法は、前述しました通り
EPS(円) = 当期純利益 ÷ 発行済株式総数
でした。

次にBPS(ビーピーエス、Book-value Per Share)は、
和訳すると一株あたり純資産で、計算方法は次の通りです。
計算式は純資産÷発行済み株式数となります。

このBPSも、株式投資をする上で活用できる数値です。
BPSからわかることは、企業が1株に対してどれくらいの資産を保有しているか、つまり、1株をどれくらいの力(資金力や技術力など)で支えているかを把握することができるということです。

③の計算式には、もう1種類の計算方法があります。
事業価値の計算に成長率を加えて評価する場合、以下の式になります。
理論株価 = BPS + 今期予想EPS + 来期予想EPS + 来期予想EPS ×(売上成長率+売上成長率の2乗+売上成長率の3乗+売上成長率の4乗)
今までご紹介した計算方法は、1年間の企業活動を終了して算出した数値で計算していますが、最後の計算方法は、来期の予想利益も計上します。
過去のデータだけでなく、企業の将来性まで計上するということです。

理論株価の使い方

まず注意したいのは、実際の株価は必ず理論株価に近づくというわけではないということです。帳簿から割り出した理論株価だけを参考に投資するのはいささか危険だということになります。

自社の正確な理論株価を算出するには、顧問税理士など専門家に依頼することがお勧めです。財務データをもとに理論株価を算出して、将来性も分析してくれます。
経理を担当している、経営している会社の現在の理論株価を知りたいと思ったら、まず税理士に相談してみてはいかがでしょうか?
現在の理論株価を把握することは、経理面でも経営面でも有益です。

理論株価を活用する際の注意点

理論株価を活用する際は以下のことに気をつけて活用しましょう。

株価が下落トレンドであるときに買わない

株価が継続的に下落しているときは、何らかの理由によって業績の先行きが懸念されていると考えられます。
相場が落ち着いたタイミングで、実態を判断するとよいでしょう。

割安な株価が修正されるまで時間がかかる(長期的な視点で投資する必要がある)

株価は本来、企業価値を表しているはずなので、割安な株価は修正される、つまりは適正株価に向かって上昇するはずです。
しかし、短期的な株価は需要と供給の関係によって決まるため、修正されるのがいつかであるかは誰にもわかりません。長期間、割安なまま放置されることもあり、この状態を「バリュートラップ(割安のわな)」とよびます。
バリュートラップを抜け出すには上方修正等が起きるのを待つか、上方修正や増配等が起きそうな銘柄を探す必要があります。

企業価値の計算は推測が混ざっているので、不確実である

企業価値の計算では不確実な情報から推測せざるをえない部分があるため、計算結果にどうしてもばらつきが出てしまいます。その原因として大きいのが以下の2つです。

①企業の事業環境や資産内容の実態把握には限界がある
②将来の業績や資産価値は状況次第で大きく変わることがある

限定的な情報と将来の不確実さの中で企業価値を計算しないといけないので、理論株価を正確に算出するということは不可能に近いです。理論株価はあくまで企業価値の目安であると考えておくのが良いでしょう。

この記事を書いたライター

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