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会計事務所の筆記試験の内容は?どんなことを勉強したらよい?

公認会計士 大国光大
会計事務所の筆記試験の内容は?どんなことを勉強したらよい?

計事務所に応募した際、「筆記試験があるので筆記用具を持参してください」と言われることがあると思います。会計事務所での筆記試験なのだから会計について問われるのか不安、という声がよく聞こえてきます。今回は、会計事務所の筆記試験の内容やその勉強法について現役公認会計士が解説します。

会計事務所の筆記試験では一般常識を問われる

会計事務所で筆記試験と言われると会計の知識を試されると思われるかもしれません。もちろんそのような知識についての出題がされることもありますが、実は一般常識を問われることのほうが多いです

なぜなら、筆記試験はそれほどたくさんの種類を用意していないにも関わらず、会計事務所を志望する人の会計知識はかなりの偏りがあるからです。一方で一般常識というのはどんな会計知識の人であっても土俵は同じですので、気を付けていれば高得点を出せるはずです。

一般常識としては、現在の内閣総理大臣は誰でしょうというものから、新聞を読んでいれば誰でも目にするような話まで様々です。また、ことわざの穴埋め問題など一般企業よりも優しめの常識問題が出される傾向があるように感じます。

一般常識を勉強する上では、新聞を読んだりニュースを見る習慣をつけたりするのが一番でしょう。しかし、試験問題はそれほど頻繁に変えるわけではないので、今日あった出来事などよりも、消費税増税がいつ始まるか、オリンピックが開催される年月等、ある程度月日が経っても変わらないような内容をしっかりと抑えておくとよいでしょう。

会計事務所の筆記試験で会計の知識は問われる?

会計事務所によっては会計の知識が問われるような筆記試験を出す場合があります。事務所にもよりますが、問題のレベルは簿記3級から税理士試験まで幅広く数問ある程度でしょう。

これは、高得点であることを目的としているわけではなく、持っている資格のレベルに実際の知識が伴っているのかを確かめる程度と考えても良いでしょう。簿記2級を持っていると書いてあるのに簡単な仕訳すら全くできないということが無いように、確認のテストとなります。たとえ間違っていても言い訳せずに「これから再度勉強して思い出します」というように勉強意欲を出した方が好印象でしょう

また、全くわからない問題でもあきらめずに仕訳を自分なりに書くことが大事です。特に勘定科目には正解不正解はない為、「こんな科目で書いたら笑われるかな」とは思わずに自分で考えた科目を記載するようにしましょう。

会計事務所では適性検査が増えている

会計事務所では適性検査が増えている

最近会計事務所で普及している試験として、適性検査試験というものがあります。一般事業会社では昔からある試験なのですが、ここ数年で手軽に取り入れることができるということで取り入れる会計事務所も多くなっています。

適性検査試験はパソコンで回答もしくは筆記で行われますが、その人の価値観や協調性コミュニケーション能力等総合的に判定が出ます。どこかの数値がとびぬけて良い方が評価されるのではなく、特定の項目でアラートが出るような要注意人物でないかどうかが評価されます。

よって、高得点を狙いに行こうと思って偏った思考をするとそれだけで採用が見送られることもあります。また、実は同じ問題が何度も出てきてそれぞれ異なった回答をすると「虚言癖あり」として全体的にマイナスポイントとなります。ですので、直感で答える問題は深く考えすぎて真逆の答えを出さないように、素直に答えることが重要です

会計事務所の面接ではどのようなことが聞かれる?

会計事務所の面接では、一般事業会社と同じような面接が行われます。大規模な事務所であれば人事採用責任者による面接に合格したのちに役員面接があったり、中小規模では所長自らが面接を行ったりすることも多いです。

まず、未経験の場合は必ずと言っていいほど会計事務所に入る動機を聞かれます。ここで安易に「税理士になりたい」というと「では、税理士になったらその後どうしますか?独立したいですか?」「どのような税理士になりたいですか」等と深く聞かれます。本当に目指しているのであればその通り答えていけばよいですし、そうでないのであればそれなりに自分の答えは準備しておく必要があります。

また、「数ある会計事務所の中でなぜうちを選んだのですか」というのも必須でしょう。どこでも良いという答えは論外ですので自分なりに調べた結果を伝えましょう。ホームページの○○というところを見て、などと具体的に伝えることが必要です。

会計事務所の経験者や、転職組は前職について聞かれることがほとんどです。なぜ辞めたのか、何か嫌なことがあったのかという問いには答えられるようにしましょう。また、会計事務所というのはどこも繁忙期があるため、前の事務所で繁忙期が忙しく嫌だと思ったとしても、それが転職理由には沿わないこともあります。

ですので「年末年始が忙しすぎたから」や「先輩たちが何も教えてくれないから」というネガティブな理由はマイナス評価に直結することもあります。前職について否定的なことを言うのではなく、あくまでも前向きな気持ちで、面接を受けている事務所の魅力が強いという想いが伝わるように熱意を伝えましょう

まとめ

以上、会計事務所の筆記試験の内容について解説しました。
上記でご説明したように、会計事務所によって筆記試験の内容は様々です。
求人ページには掲載されていないことも多いですので、筆記試験の対策については、事前に転職エージェントに内容確認することも有効な方法でしょう

この記事を書いたライター

公認会計士、税理士。監査法人東海会計社代表社員、税理士法人クレサス代表社員。大学時代に公認会計士旧二次試験に合格後大手監査法人に就職し、27歳で独立開業。国際会計と株式公開支援が専門。セミナーや大学で講師を務めたり書籍の出版も行っている。
カテゴリ:転職・業界動向

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