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全てはお客様のために、チームでクリエイティブなアドバイスを提供し続ける名古屋総合税理士法人の強みに迫る

井澤梓
全てはお客様のために、チームでクリエイティブなアドバイスを提供し続ける名古屋総合税理士法人の強みに迫る

名古屋総合税理士法人では、「お客様の明日を創造し、それに関わる人の明日を豊かにするクリエイティブなアドバイザーを目指します。」という経営理念が浸透しており、全社一丸となって、顧客に価値あるサービスを提供することを目指し続けています。

関わる業務は、税務・会計業務、相続、事業承継、経営コンサルティング、M&Aなど多岐に渡ります。幅広い業務のプロフェッショナルが集まり、多面的に価値提供している名古屋総合税理士法人の、具体的な仕事内容や、組織作りの秘訣について、代表税理士の細江貴之氏と、今年5月に入社した稲垣氏にお話を伺いました。

幼い頃から目指し続けてきた税理士の理想像

―税理士を志したきっかけを教えてください。

名古屋総合税理士法人は、父親が設立した事務所なのですが、幼い頃から後を継ぐという意識がありました。小学生の卒業文集でも「将来は税理士になる」と書いたのを覚えています。父から税理士は中小企業のアドバイザーとしてやりがいのある仕事だと言われ続けてきたので、顧客に寄り添い、顧客から厚い信頼を寄せられる税理士に早くなりたいと思っていました。

個人の会計事務所に就職し、勤務しながら税理士試験の勉強をし、2006年に税理士試験に合格しました。とにかく経営者の力になりたいと意気込んでいたのですが、勤務先は昔ながらの税務・会計業務だけに集中し、経営のアドバイスなど余計なことはしないという方針の会計事務所でした。

5年間修行させていただき、実務を身に付けさせていただくことができ感謝しております。ただ、税理士業務以外の経営アドバイスなどをすると、「事業を悪化させたら責任を取れない。決められたことだけをやるべき」と注意され続けた点は私には合わず、顧客企業の発展に貢献したいという思いが日に日に強くなっていきました。

そのため、経営者の勉強会に参加したり、融資に強くなるために金融の融資や格付の仕組みについての勉強、経営計画の策定方法や経営サイクルの運用方法についての学習、経済学、マーケティング、営業やマネジメントの勉強をするなど、企業の成長発展に繋がると思うことを出来得る限り我武者羅にやりました。

些細なやりとりからでも経営者に価値提供する

―名古屋総合税理士法人でのキャリアと、貴社が関わる業務について教えてくだい。

2008年に、名古屋総合税理士法人の前身である会計事務所に転職し、その後2012年に法人化して、現存の名古屋総合税理士法人が誕生しました。弊社は総合型会計事務所ですので、税務・会計業務のみならず、事業承継、経営コンサルティング、M&Aなど幅広い業務に関わり、さらに経営者の遺産相続にも関わります。顧客の法人と個人の割合は、7:3ほどで、法人顧客の業種も多岐に渡っています。

転職したことでついに多面的にサポートができると思ったのですが、入社当初は、経営者が気にする経済や経営について、私の知識が足りておらず自分の力不足を思い知りました。

というのも、経営者との会話は、主に景気、経済や経営の話です。お客さまは、税理士との会話から有益な情報を得ることを期待してくださっているからです。

自分の引き出しをどんどん増やし、どんな経営者様にも価値をご提供したいという思いから、どんどん経済と経営オタクになっていきました(笑)。

経営者が常に気にしているのは景況感。当社が所在する愛知県の企業は、製造業が多いため、仕入値、コスト高、人材採用と定着、円安の行方には特に敏感です。

例えば最近ですと、これだけさまざまな価格が上がっているのですから、自社商品や製品の値上げもやむを得ません。しかし経営者にとっても、値上げは非常に難しい課題です。景況調査データによると、まだ3〜5割の企業しかコスト高を販売価格に転嫁できていないのです。

そこで経営者には、世界の情勢や今後の円安、コスト高、金利見通し、愛知県や三重県の統計、加えて他社の値上げ状況や値上げ交渉、成功例などをお伝えするようにしています。値上げに踏み切る根拠が生まれ、難しい課題にも向き合っていただけるようになります。

忙しい経営者ご自身が、これらの情報を調べることは難しいので、非常に喜んでいただけますし、顧客の期待以上の情報提供ができていると思っています。

若手時代に思うように情報提供ができなかった歯がゆい思いから、常に価値提供できるような情報収集を欠かさぬようになりました。

この思いが原点となり、現在の名古屋総合税理士法人の、全員で勉強を続ける姿勢や、情報を共有し合う風土の土台となったように思っています。

最新の経済情報をリサーチし全社に共有

―最新の経済情報を常にキャッチアップしてらっしゃるのですね。社員の皆さんにはどのように共有しているのでしょうか。

経済情報だけでなく、法改正や、補助金、公的助成や、金利動向、融資の制度、有利な借り換えの仕方なども、常に変化が伴うので、最新の情報をキャッチアップしています。特に資金繰りや補助金、給付金などに関する情報は、あるのとないとでは大違い。事業を推進させる原動力になるほか、新規事業を生み出すきっかけになりますから、専門のチームを設けてリサーチと情報発信を続けています。

具体的な仕組みとしては、情報収集専門のチームが調べた内容は、チャットツール等を用い、社内に都度共有。全員が同じ提案ができるような体制にしています。

個々の力量で属人化しやすい業界ではありますが、当社の強みはチームの力です。チームみんなで高め合い、そして顧客と向き合うことで、最高の結果が出せるはずです。

ですから、私も含め、担当者が常に勉強し続けることが非常に大事だと考えています。

―勉強し続けることが生きたエピソードがあれば教えてください。

当社は、不動産関係のお客さまが多いため、私も宅地建物取引士と賃貸不動産経営管理士の資格を取得したり、社員も資格試験の勉強をしたりしているのですが、実務に非常に生きています。

クライアントが、あるハウスメーカーに依頼した土地活用案件をサポートしたときのことです。当初、オーナーの希望ではなく、ハウスメーカーの得意とする2階建ての建築計画で進みそうになっていました。3階建て以上や、敷地ギリギリに建築すると擁壁(ようへき)等の安全性に問題が生じる可能性があるから、という話でした。

そこで弊社の社員が、「建築基準法や現状の隣地との高低差を鑑みると、3階建て以上のもっと大きな建物を建築する計画でも問題ないのではないか」とアドバイスしたところ、アドバイスが通り、オーナーに有利な条件で計画が進められることになりました。「アドバイスがなかったらハウスメーカーに従っていただろう」と、お客さまにもとても喜んでいただけましたね。

いくら情報を身に付けても、もっと学ばなければならないと思うことばかり。税理士という仕事は一生勉強だなと思いますが、こんなに面白い仕事はないと思います。

私にとって、経済の情報収集も、家族との時間も、経営者の方とのお付き合いも、全てが楽しく、線引きがありません。これからも楽しみながら、勉強を続けていきたいと思っています。

お客様への想い遣りを持った人と働きたい

―どのような方と一緒に働きたいですか?

最も重視するのは、経営理念への共感です。そして行動指針として大事にしているのが、会社全体のことを第一に考える「想い遣り」を広く深く持つことです。人のために役立ちたいと思っている方とともに働きたいと思っています。

加えて、今後さらに力を付けたい実務経験者や幹部を目指す方にとって弊社は良い環境だと思います。

弊社では高度な業務にも幅広く関わることができます。そして規模も年々拡大しているため、幹部登用のチャンスも多い環境です。「税理士として、オールマイティの力を身に付け、自分の価値を高めたい」「お客様に多面的に寄り添いたい」と考える人に合った環境だと思います。

足りないスキルは入社後に磨いていただけますので、成長意欲の高い方に是非入社していただきたいです。逆にいうと、決められた業務を淡々とこなすことが好きな方には不向きかも知れません。

―中途入社のキャリアの一例を教えてください。

30代前半の中途入社の社員は、1年目で課長代理、2年目で課長になりました。今や、周囲からも、顧客からも信頼を集めるエース社員です。

今後も優秀な方は、積極的に登用しようと思っていますが、実力とあまりにかけ離れた責任を与えることは、本人のためになりません。経営者として、全てのメンバーが、地に足が付いた成長ができるような環境を準備したいと思います。

―顧客に満足いただけたと感じる印象的なエピソードを教えてください。

リーマンショックの頃、お客様の資金繰りが苦しくなり、仕入先に代金を払えなくなったことがありました。そこで、経営者と共に、支払いを猶予して欲しいと取引先2社に交渉に行ったのです。時間散々怒られる中、頭を下げ続け、何とか聞き入れてもらうことができ、クライアント企業には大変感謝していただきその日は終わりました。

すると翌日、取引先の会長様から「あんたすごいね、ウチの税理士はそこまでしない。ウチの顧問税理士になってほしい」と連絡が来たのです。交渉の付き添いではなく、当事者として頭を下げたことに対して驚かれたようで、ご支援をさせていただくことになりました。

さらに取引先のもう一社も、代替わりの際に弊社に税務顧問を切り替えていただきました。一切狙ってはいなかったですし、自分としては当たり前のことをしたまでなのですが「貢献できた」「信頼いただけた」と感じられた出来事でした。

当社は、融資など資金繰りのサポートが得意なので、特にリーマンショックの頃は、自分にしか助けられなかったと思うような会社が何社もあり、大事な体験となりました。

ですが、倒産や破産も悪いこととは限らないと思います。経営者の命を守り、その後の人生やその企業の社員やその家族、取引先のために、デッドラインを決めることも大事です。

ただ成長や拡大を追い求めるのではなく、状況に応じた最適な支援ができる税理士でありたいですね。

柔軟な働き方と、充実した教育制度がそろった環境

―名古屋総合税理士法人の働き方や制度に特徴があれば教えて下さい。

教育制度について会社を挙げて力を入れています。研修は社内研修のほか、社外研修への参加奨励や外部研修受講システムも活用しており、動画など充実したコンテンツを用いて学ぶことができます。

社内研修は、月に2回の全体研修に加えて任意参加の各種勉強会も行っています。さらに、外部研修にも手を上げれば行き放題です。東京や大阪の研修にも、交通費を含めて全額会社負担で行くことができます。学びに義務感や面倒くささを感じてしまうのが嫌なので、研修後のレポート提出なども求めてはいません。少しでも誰かの新しい学びや意欲が自然にチームに伝播してくれるといいなと思っています。

他のメンバーに教えることは、自分自身の学びにも繋がります。弊社では、積極的に教え合うこと(共育)を行動指針としてとても大事にしています。個人事業主の集まりのような事務所も多いですから、この点はよく驚かれます。

また、勤務時間はフレックス制度を採用しています。コアタイムは10時から16時(コロナ禍のため現状は11ー15半)。子どものお迎えで早く帰るとか、朝は苦手だから遅めに出社する、早朝勉強に充てるといったこともできます。入社後すぐに有休(6日、半年後+11日、1年半後+17日)も付与されますので、働き方についてはかなり柔軟だと思いますね。

ともにクリエイティブな視点で価値提供しよう

―読者の方々にメッセージをお願いします

税理士は、とても価値がある仕事だと思っています。

クライアント企業に対して、税務・会計の実務のみだけでなく、未来創造のために、提供できることがとても多く存在しています。ときに経営者が気付いていない課題を洗い出したり、クリエイティブなアドバイスをすることにより、会社がどんどん変わるのです。

その企業の社員やお客さま、その方たちのご家族など多くの人に影響を与えています。さらには地域社会や日本を良くしていける仕事だと信じています。

税理士を目指している方は、何かしら志をもっていらっしゃると思います。その後、どんなクライアントに出会い、何をアドバイスできるかで、成果は大きく変わる。より多くの価値を生み出せる仕事を一緒にやっていきましょう。

「人から信頼される税理士になる」という確固たる想い

―続いて、今年5月に入社した稲垣氏にお話を伺いたいと思います。まず、税理士を志したきっかけを教えて下さい。

新卒では、リフォームの企業に入社し、営業兼現場監督をやっていました。忙しく、自分の時間が全く取れない中で、ふと「自分には何のスキルも身に付いていないな」と感じ危機感を覚えました。

そこで、税理士の資格を取ろうと、簿記の勉強を始めました。父が経営する会社の税理士の先生がかっこいいなと憧れたこともきっかけになりました。ずっと事業を見ているわけではないのに、数字から、会社の課題ややるべきことを見極め、的確なアドバイスをくれるのです。父もとても信頼していて、事業の相談をしています。自分もこんな税理士になりたいなと思っています。

―その後、静岡の税理士事務所で7年間働いたとのことですが、名古屋総合税理士法人に転職したきっかけを教えてください。

以前に働いていたのは、個人の会計事務所でした。基礎的な実務は身に付いたのですが、どうしても自分一人だと狭い範囲しか見ることができません。加えて、少人数の事務所だったので、自分の短所を指摘してもらったり、足りないスキルを身に付けることも徐々に難しくなっていくだろうなと思っていました。

そこで、さらなる成長を目指し、規模の大きい総合税理士事務所への転職を志したのです。転職エージェントから紹介を受けて、名古屋総合税理士法人のことを知りました。第一印象から、充実した教育制度や、幅広い取り扱い領域に興味を持ったのを覚えています。

そこで「どんな税理士になりたいですか」という質問があったのが印象的です。私は元から、人から信頼される税理士になるという確固たる夢があったので、迷いはなかったのですが、日頃から「どうありたいか」を意識していないといけないと痛感いたしました。

もう一社内定をいただいていましたが、得られる経験の幅が広そうだと思い、名古屋総合税理士法人に決めました。入社を機に転居もしましたが、同世代のメンバーが多いことや、入社同期が2人いたこともあり、新しい環境にも早く馴染めました。

圧倒的な理念浸透が自社の強み

―転職したからこそわかる、自社の特徴や、強みを教えてください。

まず驚いたのが、経営理念を非常に大事にしていることです。入社すると、5時間ほど経営理念や行動指針を学ぶ研修があるのです。お客さまのことをとても大事にしていることが伝わってきました。
そしてそれらが、実際に日々の業務に生かされていることにも驚きました。

例えば、行動指針の3つ目は「私達は、お客さまに寄り添い、お客さまと共に課題に立ち向かい、常にクイックレスポンスで、お客さまの為に全力を尽くします。」という内容。どのメンバーもお客さまへのレスポンスが本当に速いです。

お客さまに「調べて後ほど連絡します」とお伝えした場合、翌日くらいの返答をイメージしますよね。当社では、速い時は、30分程度で詳細な内容をお戻ししているのです。レスポンスを速くするために、当然業務スピードも速くなるし、効率化も意識する。行動指針が浸透することで、素晴らしい循環が起こっているなと思いました。名古屋総合税理士法人は、皆「当たり前」のレベルが高いので、自分もさらに努力を重ねないと、と身が引き締まります。

その他には、フレックス制度を皆活用していることも特徴です。柔軟な働き方を活かし、朝早く来て勉強をしたり、お子さんのお迎えのために早めに退社する社員がたくさんいて驚きました。形式だけの制度があるのではなく、実際に使われているというのは、職場選びで大事なポイントですよね。

また、充実した教育制度も、今後スキルアップを目指すにあたってとてもありがたいし、積極的に活用していくつもりです。

数字から何を伝えたいかを意識するように

―名古屋総合税理士法人で得た学びがあれば教えてください。

売上や利益等の数字を、月次で報告しているのですが、数字の読み上げに終わってしまっていました。先輩から「その数字から何を伝えたいのかをもっと準備するべき」という指摘をいただきました。実際にその先輩の打ち合わせに同席させてもらったのですが、数字からただアドバイスするのではなく、経営者がご自身で気付けるように視点をお伝えしていたのです。ご自身で改善点が見つけられたら、腹落ちしますし、今後に応用も効きます。

先輩のように、ただの報告ではなく、付加価値を提供できるようになりたいと強く思いました。真横で先輩のやり方を見ることができるのは、早く成長できる素晴らしい環境だと感じています。

借り入れや事業承継、相続など、経営者の方がまだ気付いていない潜在的なお悩みにも踏み込み、ご提案できる税理士になりたいですね。

―同じように転職を考えられている方々にメッセージをお願いします

私のケースのように、働きながらの転職活動は大変だと思います。ですが最近ではオンラインで面接もできますし、情報収集もウェブで手軽にできるようになりました。将来のスキルアップを目指す方は、諦めず挑戦していただきたいなと思います。

当社は、勉強熱心で向上心のある人が合うと思います。効率を上げることも大事ですが、何よりお客さまのためにという気持ちがベース。仲間とも、お客さまとも、強い信頼関係が構築できると思います。税理士という仕事を通して、人と深く関わりたい方を求めています。

―本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

今回お話を伺った名古屋総合税理士法人のHPはこちら

この記事を書いたライター

立命館大学卒業後、金融機関を経て、2010年株式会社ビズリーチの新規事業立ち上げに参画。法人営業や人材エージェントの新規開拓営業に携わる。その後、独立し企業広報支援を開始。主にBtoB企業の発信力向上をサポートする。
カテゴリ:キャリア

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