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合計所得金額と総所得金額等の違いとは?事例とともにわかりやすく解説!

公開日:2021/11/13
合計所得金額と総所得金額等の違いとは?事例とともにわかりやすく解説!

税金の額を計算するには所得の計算方法や計算過程を正しく理解していなければなりません。細かい制度を理解して所得を計算する際には、具体的な事例を交えながら確認しておくと理解が早いです。今回は合計所得金額と総所得金額等の違いについて、事例を交えながら解説していきます。

合計所得金額と総所得金額等はどう違う?

法人税や所得税を計算する際には所得の金額を計算しなければなりません。
所得を計算するには複雑な計算過程を理解する必要があります。
なかでも、「合計所得金額」「総所得金額等」は違いが分かりづらいものです。
両者の定義や違いについて、詳しく解説していきます。

合計所得金額と総所得金額等の違い

合計所得金額と総所得金額等の違いは、「純損失や雑損失を控除する前か後か」という違いになります。
所得を合算した際に、最初に計算されるのが「合計所得金額」です。
合計所得から、純損失や雑損失などの繰越控除額を差し引いて計算したものが「総所得金額等」となります。
そのため、計算順序としては一旦「合計所得金額」を計算した後に「総所得金額等」を計算することになります。

合計所得金額の計算方法

所得を計算する際に、まず計算するのが合計所得金額になります。
合計所得金額とは、それぞれの所得を合算した金額のことです。
具体的には、以下の所得を合算した数値となります。

・事業所得
・不動産所得
・利子所得
・給与所得
・配当所得
・雑所得
・総合課税の短期譲渡所得
・総合課税の長期譲渡所得×1/2
・一時所得×1/2
・退職所得金額
・山林所得金額

参考:国税庁『合計所得金額』

合計所得金額はどんなときに使う?

合計所得金額は主に以下の所得の判定をする際に使用されます。
所得が一定の水準を上回るか下回るかで、様々な税制優遇を受けられるかが決まるため、正確に計算しなければなりません。
合計所得金額は以下のケースに使用されます。

・障害者、未成年者の所得判定
・扶養控除の所得判定
・配偶者控除の所得判定
・配偶者特別控除の所得判定
・寡婦控除の所得判定
・ひとり親控除の所得判定
・勤労学生控除の所得判定
・住民税の均等割の非課税限度額
・基礎控除の判定及び控除額の計算

総所得金額等の計算方法

合計所得金額を計算したら次に総所得金額等を計算します。
総所得金額等とは、合計所得金額から純損失または雑損失等の繰越控除を適用したあとの金額のことです。
なお、純損失または雑損失等がない場合、合計所得金額と総所得金額等の額は一致します。

【総所得金額等の計算方法】

総所得金額等=合計所得金額―繰越控除額

控除される金額について

総所得金額等を計算する際に控除する金額としては、以下の繰越控除額が挙げられます。
過年度の純損失や雑損失など、繰越控除がある場合は総所得金額等の計算に考慮可能です。

・純損失や雑損失の繰越控除
・居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除
・特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
・上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除
・特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除
・先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除

参考:国税庁『総所得金額等』

総所得金額と総所得金額等

「総所得金額」と「総所得金額等」は似ている言葉ですが、実は計算方法が異なります。
総所得金額等は総合課税と分離課税が含まれていますが、総所得金額には総合課税のみ含まれています。

一般的に、所得を計算する方法は総合課税と分離課税を合計して考慮することが多いので、税務で利用するケースは「総所得金額等」が多いです。
なお、分離課税とは他の所得と合算しないで計算する所得のことで、山林所得や退職所得などが代表例です。

総所得金額等はどんな時に使う?

総所得金額等の数値は以下のようなケースで利用されます。

・所得割の非課税限度額の判定
・雑損控除の所得判定
・医療費控除の所得判定
・寄附金控除の所得判定

所得計算の事例

ここからは、事例と共に解説していきます。
Aさんが以下のような所得を得ている場合、「合計所得金額」と「総所得金額等」の計算について確認しましょう。

【Aさんのxx年度の所得】
・事業所得:500万円
・不動産所得:100万円
・雑所得:10万円
・一時所得:10万円
・山林所得:10万円

なお、過年度の繰越控除が100万円あるものとする。

以上のケースの場合、「合計所得金額」は以下の計算で算出されます。
合計所得金額=500万円(事業所得)+100万円(不動産所得)+10万円(雑所得)+10万円(一時所得)×1/2+10万円(山林所得)=625万円

一方、「総所得金額等」は以下の計算で算出されます。
総所得金額等=625万円(合計所得金額)‐100万円(繰越控除)=525万円

総所得金額等は合計所得金額から繰越控除を差し引くため、同額あるいは総所得金額等の方が小さい数値になります。

まとめ

合計所得金額と総所得金額等について見ていきました。
合計所得金額とは所得を合算した金額であり、合計所得金額から純損失や雑損失を控除したものが総所得金額等になります。
所得を計算する際は、細かい計算の違いで税負担額が大きく変わることがあります。
所得の計算方法を正しく理解して、税務に役立ててください。

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この記事を書いたライター

岩橋 慧

岩橋 慧

慶應義塾大学を卒業後、都内IT企業の経理職として6年間従事。決算業務、債権管理業務、会計監査対応、内部統制対応、会計システム導入・保守など経験後、フリーランスのライターとして、経理職での経験を生かした会計分野に関する執筆を強みに活動中。

カテゴリ:コラム・学び
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