酒税法は、税理士試験の受験科目11科目中のひとつです。ミニ税と呼ばれる酒税法は、他の科目と比べて勉強時間が短いのが魅力です。そんな酒税法について、勉強方法などについて解説します。
酒税法は、アルコール飲料に関して、どのような課税ルールに基づいているのか理解する科目で、税理士試験における税法科目のひとつです。
税理士試験は科目合格制度があるため、数年かけて11科目中5科目合格することで税理士資格を取得することができます。
1年に1科目受験することができるため、忙しい会社員の方でも取り組みやすいのが税理士試験といえます。
税理士試験には必修科目(簿記論・財務諸表論)」の他に選択科目があり、酒税法は選択科目に含まれます。
受験科目を選択するときに気をつけて欲しいことは、消費税と酒税法のどちらか一方の受験に限定されていることです。
受験科目に酒税法を選択すると「酒税法は受験しても意味がない」と難色を示す税理士事務所などがあるため、学習のボリュームが少ない割に、受験者数が少ない科目です。
酒税法は、計算を重視され理論30%、計算70%の割合で出題されます。
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酒税法の学習時間の目安はメインの計算に150時間と言われ言われています。
税理士試験の必須科目である簿記論・財務諸表論で450時間、一番勉強時間が多い所得税、法人税が600時間程度なため、ボリュームが少ない科目であることがわかります。
ミニ税と呼ばれる酒税法は、先ほどもお話したように他の税理士試験科目に比べ学習ボリュームが少なく、4月から学習を初めても準備が間に合う資格と言われています。
酒税法は、合格ラインが高得点になることが予想される科目です。
よって、「150時間の勉強時間が必要」と言われる酒税法ですが、確実に合格ラインに達成するためには、専門学校のテキスト以外の補足情報の知識が必要とされます。
過去の酒税法の合格率は以下の通りです。
第70回 2020年度における酒税法の合格率は13.9%で、11科目の合格率と比べて平均的な数値です。
5年間の合格率は13%前後となっていますが、受験者数が減り合格者数も下がっています。
酒税法は酒販店、アルコールを取り扱うメーカーに勤務している方、あるいは勤務予定の方には向いている科目です。
また、時間の確保が難しい会社員、税理士試験でリーチ(4科目合格)の方、1年で複数科目の合格を目指している方に酒税法はオススメです。
酒税法は理論30%、計算70%の割合で出題され、計算問題比重が高くなります。
全体のボリュームが少ない酒税法は、理論問題で失点を防ぎ、計算問題ではケアレスミスをしないことが合格ライン到達へのキーポイントとなります。
酒税法の勉強方法についてお話していきます。
学習のボリュームが少ないため、ただ暗記するだけでは酒税法の合格ラインに到達できません。
他の専門学校で販売されている理論集を入手し、重複していない理論内容をプラスして覚えていくことが必要になってきます。
また、国税庁の通達や、法規集に目を通すことで、未学習である問題への対策ができます。
最初に酒類の判定をし、移出量と税率を求め、算定した数値をもとに納税額を計算していくため、ケアレスミスが許されません。
本試験は緊張しないように心がけても、いつもと違う雰囲気に飲まれてしまうことがあります。
平常心を保てるように、他の専門学校で行われている直前期の公開模試を可能な限り会場で受験するようにしましょう。
酒税法は頻繁に利用される訳ではありません。
アルコール飲料メーカー、酒販店、アルコールを取り扱う顧客を持つ税理士事務所にお勤めの方には、必要な知識です。
アルコール飲料メーカーでは、新入社員研修の1つとして、早い段階で酒税法は教えられ、ワインソムリエ、ウィスキーマイスターなどと同様に人事評価に繋がることがあります。
酒税法は忙しい会社員、短期間での5科目合格を目指している方には魅力的な科目です。
また、税理士受験科目ですでに4科目合格している方が最後の科目として酒税法を選択する場合も多いため、受験生のレベルが高いといえます。
酒税法に限らず、税理士受験は勉強時間ではなく、勉強の質がポイントになってきます。
自分の受験環境にマッチした科目を選択し、計画的に勉強に取り組むことが重要となります。
2020年からは、過去の状況とは異なり新型コロナウイルスによる新たなルールが設けられています。
税理士試験対策として、試験当日の受験会場の状況、交通機関など情報をチェックすることを忘れないようにしましょう。