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株式分割による株価への影響とは?実務の事例と共に解説!

岩橋 慧
株式分割による株価への影響とは?実務の事例と共に解説!

株式会社における資本政策で有効とされるのが株式分割という手法。株式分割によって発行株式を細分化することで、株式市場の流動性が上昇し株価の変動が期待できます。今回は株式分割が株価にどのような影響が与えるのか、実際に株式分割が行われた事例を参照しながら解説していきます。

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株式分割が市場に与える影響

1つの株式を複数に分割して株価の上昇を促す資本政策のことを株式分割といいます。
株式分割は会社側としても投資家としてもメリットが大きいものであると共に、株式市場および株価に対しても大きく影響を与えるものです。

例えば、1株あたりの株価を下げることで株式売買のハードルが低くなり、株式の市場流動性が上昇します。
市場流動性が上昇することで株式に対する売買需要が高まり、活発な投資を促すことができるのです。

株式の市場流動性が上昇する

株式分割によって発行株式数が増えることで1株あたりの価格が下がるため、株主にとっては株式売買がしやすくなります。少額の取引を行う個人投資家なども株式を購入しやすくなり、株式の市場流動性が上昇を見込めるでしょう。

例えば、1株あたり100万円の株式を5分割すると1株あたり20万円になります。1株あたりの株価が低下することで個人投資家にとっても投資のハードルが下がるため、株式を買いやすくなり、買い需要が高まります。
多くの投資家が株式売買の機会を得ることで、株価に影響する要因も高くなるのです。

指定替えによる市場の期待

株式分割をすることで上位の株式市場へグレードアップすることを「指定替え」といいます。
投資家においては株式分割の実施で指定替えを予測し、企業価値の上昇を期待して株式の人気が高くなり、株価が変動する要因となるでしょう。

株式分割のメリットは?

株式分割を実施することで株価にどのようなメリットがあるでしょうか?
株式分割は企業の資本政策に有効であることを紹介しましたが、投資家にとっても株価上昇を期待できるという効果があります。

株式変動が大きくなる

市場流動性が上昇することで多くの投資家にとって投資の機会が増えるため、株価の上昇を期待できます
投資家にとっては株価の値上がりを期待して更なる投資を行います。そのため、株式分割をきっかけとして株式を購入する需要が増え、株価が値上がりしていくことが予想できるでしょう。

配当金増加への期待

株式分割によって発行株式数が増えることで、株主への配当金が増えます
そのため、株式分割による配当金を目当てに株式の買い需要が高くなることが予測できるでしょう。

株式分割の注意点

株式分割には株価をプラスする要因だけでなく、株価をマイナスする要因もあります。
株式を買いやすくなるということは、株式を売りやすくなるということにも繋がります。そのため、株価変動リスクに晒されることで株価が大きく下落するリスクに注意しなければなりません。

株価変動リスクの上昇

市場流動性が上昇することには、株価が変動しやすくなるというリスクもあります。
株式分割によって株式が買いやすく、売りやすい状態になります。企業価値をマイナスする要因によって株式が売りやすい状態になると株価低下のリスクが高くなってしまうのです。

例えば、企業価値がマイナスされる要因が発生した場合に株価を売りやすい状態にあると株価は下がりやすくなってしまいます。
株式分割を行う際は株価にとってネガティブな要因に対してリスクが大きくなることを認識しましょう。

信頼性の低下

株式分割によって市場流動性が高くなることで、株価への信頼性が低下することがあります。
株式を買いやすくなることで投機を目的とする投資家が増えると、業績の連動に伴わない株価の動きが生じます。
これにより、本来の相場とは異なる値動きが生じて会社としての信頼を失ってしまうというリスクに注意しましょう。

株式分割の事例と値動き

ビジネスの現場では株式分割はどのような場面で活用されているでしょうか?
株式分割は市場の流動性を高めるために行われるほか、買い需要の高まりによって株価が上昇するというケースがあります。
実際に株式分割をしている企業の例を参照しながら、株式分割の活用方法を見ていきましょう。

株式会社セブン&アイ・ホールディングス

コンビニチェーン大手のセブンイレブンを運営するセブン&アイ・ホールディングスは株式分割の好例として取り上げられます。

株価が上昇したら株式分割という動きを複数回繰り返すことで、業績が上向きながらも1株あたりの株価を維持しています。
株主にとっては市場流動性を確保しながら企業価値が高くなり続けており、企業にとっても投資家にとっても株式分割の成功事例といえるでしょう。

株式会社ユーグレナ

株式会社ユーグレナは東京都港区に本社を置くバイオテクノロジー企業です。
同社は2013年4月に株式1株を5株に分割し、株式の市場流動性を高めることを狙ったと発表しています。
流動性向上を予感した株式市場は盛り上がりを見せ、株価は一時急騰して前日比18%増高という株価を記録し、大幅な上昇の値動きを見せました。

まとめ

株式分割が株式市場に与える影響や株価の動き方について事例とともに見ていきました。
株式分割によって株式市場性の流動性が高まり、株主など投資家への期待を煽って株価上昇が期待できます。

一方で、流動性の上昇による株価変動リスクに注意しなければなりません。株式分割を行う際は市場の動向を注視し、株価が適切な値動きをするよう注意しましょう

この記事を書いたライター

慶應義塾大学を卒業後、都内IT企業の経理職として6年間従事。決算業務、債権管理業務、会計監査対応、内部統制対応、会計システム導入・保守など経験後、フリーランスのライターとして、経理職での経験を生かした会計分野に関する執筆を強みに活動中。
カテゴリ:コラム・学び

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