給料から所得税として金額が差し引かれる「源泉徴収」ですが、1年の途中に退職した場合、源泉徴収された税金について、確定申告をすれば戻ってくる可能性があります。今回は、税金面で少しでも損しないよう、退職時の確定申告について紹介します。
日本の所得税は、所得を得ている人が自分で税金を計算して申告する申告納税方式となっています。しかし、この仕組みだと、日本中の納税者全員が自分で税金計算や申告を行うと申告漏れや計算ミスが発生し、税収の減少につながりかねません。
そのため、給与所得を得ている会社員の場合、会社が会社員に替わって税金計算や納税の代行をする「源泉徴収」の仕組みになっています。
給料から源泉徴収される税額は、国税庁が、給与水準や扶養家族の人数に応じて決められています。源泉徴収される金額の一覧表が、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」であり、会社はこの一覧表の金額を給料から差し引いています。
会社が、毎月源泉徴収していた額は予定額です。
そのため、「年末調整」で所得税の計算と源泉徴収された金額との差額計算を行います。所得税の計算は、1年間に発生した給料の変更や家族構成の変更を織り込んで計算します。「年末調整」で計算した差額分は、会社が給料から清算して、社員に替わって税務署に納付します。
「年末調整」は、原則として12月末の段階で在籍している社員を対象としています。そのため、途中で退職した社員は、「年末調整」が行われません。
退職した後、新しい会社で働いていないと年末調整をすることができません。そのため、自分で「確定申告」を行うこと必要です。面倒くさいと感じる方もいるかと思いますが、確定申告で源泉徴収された税金が戻ってくる(還付)可能性があります。
給与所得が103万円を超える場合、還付の有無にかかわらず、確定申告書を提出する義務があります。所得税の計算上、給与所得控除が65万円、基礎控除38万円の合計額が103万円となるからです。
給与所得が103万円以下の場合は、確定申告書を提出する義務はありません。しかし、源泉徴収されている場合には、確定申告書を提出することによって、払いすぎた所得税の還付を受けることができます。(課税総所得が0円のため)
この申告を「還付申告」といい、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。
源泉徴収票とは、会社から支払われた給料、賞与、その他の総支給額と、そこから差し引かれた所得税の金額が記載された書類のことです。源泉徴収票は、自分自身で確定申告書を提出する時に最も重要な書類となります。
又、転職先で前の会社の給料分含めて年末調整をしてもらう場合にも、源泉徴収票が必要となります。
給与等を支払う会社は、所得税法の規定により、源泉徴収票を作成・発行する義務があります。通常3通作成され、税務署への提出、社員への交付及び控えとなります。そのため、正社員、アルバイトにかかわらず、給与などを受け取る全ての人に源泉徴収が発行されます。
源泉徴収票が受け取れるのは、年末調整の後(多くは1月)と退職した時です。12月末までに働いている場合は、年末調整の計算が終了した後に源泉徴収票を受け取ることができます。
退職した時は、その年の勤務期間の給与を基にした源泉徴収票が発行されます。源泉徴収票は、確定申告や転職先への提出などに必要な書類です。会社からきちんと発行してもらうと同時に、大切に保管することが重要です。
源泉徴収票を紛失した場合や複数枚必要な場合には、会社に再発行をお願いすることができます。会社は、源泉徴収票の発行が義務付けられていますので、再発行することを断ることはできません。また再発行は回数に制限はありません。
ただ、会社によっては、再発行などに事務手数料を請求されることがありますので、注意が必要です。
退職するときは、色々な書類を受け取りよくわからないことも多いです。源泉徴収票もその一つ。源泉徴収票はどういう時に使うか理解していないと税金を損してしまうこともあります。
特に確定申告は、国税庁が発行する「所得税の手引き」を読んでも見慣れない用語が多く混乱することは多いです。意外にも税務署の職員はとても丁寧に教えてくれます。確定申告に自信がない方は、税務署に源泉徴収票などを持ち込んで持参して相談しながら確定申告をすることをおすすめします。
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