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内定を得ると、入社先の企業から様々な書類が交付されます。なんとなく流れ作業で署名・捺印をしてしまいがちですが、これらの書類は労働条件通知書や雇用契約書など、大変重要なものです。今回は、改めて雇用契約について解説いたします。就職・転職時にしっかりと内容を確認しておきましょう。
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雇用契約とは、労働者が労働に従事することに対し、使用者がその報酬を与えることを約束する契約です。労働者側は、原則として、労働基準法や労働契約法上の保護を受けることになります。
雇用契約は、実は口頭でも成立しますが、ある程度しっかりした会社の場合は、雇用契約に双方が合意したことの証明として、入社時に書面にて「雇用契約書」を取り交わすことが一般的です。
なお、雇用契約書を取り交わさない場合でも「労働条件通知書」の交付は必要となっています。きちんと交付されているか確認してくださいね。労働条件通知書は、あくまで「この条件で雇いますよ」ということが記載されるものであって、それに対する合意が「雇用契約」となります。
労働条件通知書については以下の記事でも解説しています。併せてぜひご一読ください。
関連記事：労働条件通知書とは？詳しく解説します
最近増えているのが、雇用契約と思ったら、業務委託契約だったというケースです。業務委託契約は幅広い概念で、一概には言えませんが、労働者と使用者というように主従関係にある雇用契約とは異なり独立した事業者間の契約となります。
業務を行うことで、相手方が報酬を支払うというところまでは同様なのですが、雇用されていないため、労働基準法や労働契約法、最低賃金法による種々の保護は受けることができません。
もし、あなたが雇用のつもりでいたとしても「業務委託契約書」が送付されてきた場合は要注意です。
なぜなら、同じように出社して、社員と同様に仕事をこなしていたとしても、
・最低賃金以下の時給で働かされる
・残業代が出ない
・雇用保険、健康保険、労災保険、厚生年金保険等の社会保険制度の利用ができない
といったことが起こりうるからです。
会社から指揮命令を受け、普通の社員と待遇が変わらない仕事をさせられているのに、これらの待遇を受けており、「業務委託契約だから」と言われているようであれば、一度労働基準監督署や弁護士などへの相談をおすすめします。
自分が雇用契約なのか、業務委託契約なのかわからないという方のために、その違いを簡単にまとめてみました。
就業規則や時間などに制約はあるけれども、会社が用意した環境で働くことに対して対価が出るのが「雇用契約」、自由に働くことができるけれど、成果物ごとの対価であるのが「業務委託契約」となります。
業務委託契約であっても、その中に、企業への出社が含まれるような場合は、勤務場所や服務規律が適用されるケースもあります。
いずれにしても、業務委託契約をしていても、その働き方の実態から「労働者」であると判断されれば、雇用契約として訴えることが可能です。
派遣社員は、派遣会社と雇用契約を締結しますが、実際の仕事の指示については、派遣先の会社から受けるという形態です。
このため、業務委託契約とは異なり、社会保険などの福利厚生は、原則的には派遣会社のものとなります。
ようやく内定が決まってほっとしたのもつかの間、雇用契約を締結できるかどうかということについてはしっかりと確認しておく必要があります。
「これから働く企業に対して、ようやく内定をもらったのにそんなこと言えない」と思うかもしれませんが、雇用をするように錯覚させつつ、実態は業務委託契約であったなら、その企業は間違いなくブラック企業です。
こうしたトラブルに巻き込まれないよう、事前に求人記事についてはしっかりと確認しておくことと、転職エージェントの活用も検討してみてください。
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