CFOになるには?必要な資格・スキル・経験とキャリアパスを解説

CFO(最高財務責任者)は、財務・会計の専門知識を活かしながら、経営戦略や資金調達などにも携わる経営幹部です。CFOになるには必須の資格はありませんが、会計・財務についてはもちろん、経営や事業への理解、実務経験が求められます。本記事では、CFOに必要なスキルや経験やキャリアパスまで詳しく解説します。
CFOとは?
CFOとは「Chief Financial Officer」の略で、日本語では「最高財務責任者」と呼ばれます。
財務・会計領域を統括するだけでなく、経営戦略の実現に向けて、資金調達や投資判断、資本政策などにも関わる経営幹部です。
では、CFOは実際にどのような仕事をしているのでしょうか。
ここでは、ヒュープロCFOへの取材内容も踏まえながら、CFOの主な業務を紹介します。
CFOの仕事内容
CFOのミッションは、財務戦略の推進を通して、全社経営戦略のゴールを実現に導くことです。
単に会社のお金を管理するだけではありません。
「どこに資金を使うのか」「どのように資金を調達するのか」「どの事業に投資するのか」といった判断を通じて、企業の成長を財務面から支えます。
主な業務は、大きく4つに分けられます。
- ① キャッシュフローを最大化する
- ② 資本効率を改善する
- ③ 資本政策を考える
- ④ 財務報告の責任を担う
それぞれ、以下で解説していきます。
① キャッシュフローを最大化する
CFOの重要な役割の一つが、企業のキャッシュフローを最大化することです。
具体的には、以下のような業務があります。
- ・ 営業キャッシュフローの最大化
- ・ キャッシュフローを踏まえた投資判断
- ・ 資金調達
- ・ 事業計画の策定
- ・ 予算のアロケーション
たとえば、利益が出ている企業でも、投資や設備購入などで手元の資金が減れば、次の成長に向けた選択肢が狭まる可能性があります。
CFOは、現在の財務状況だけでなく、将来のキャッシュフローまで見ながら、資金をどこに振り向けるべきかを判断します。
② 資本効率を改善する
調達した資本を、いかに効率よく事業成長につなげるかもCFOの重要なテーマです。
代表的な指標として、ROE(自己資本利益率)やROIC(投下資本利益率)などがあります。
「どれだけ利益が出たか」だけを見るのではなく、投じた資本に対してどれだけ利益を生み出せたのか。
こうした視点から事業や投資を捉え、企業価値の向上につなげていきます。
③ 資本政策を考える
資本政策とは、企業がどのように資金を調達し、株主構成や資本をどう設計していくかを考えることです。
特にIPOを目指す企業では、資金調達や株式の発行、株主構成など、将来を見据えた判断が求められます。
CFOは、目の前の資金繰りだけではなく、企業の成長ステージを踏まえて「どのような資本構成が望ましいか」を考える役割も担います。
④ 財務報告の責任を担う
財務情報を適切に把握し、経営者や取締役会、投資家などに報告することもCFOの仕事です。
決算や予算といった財務情報を正確にまとめるだけでなく、そこから企業の現状や課題を読み取り、経営判断につなげることが求められます。
つまり、CFOにとって財務報告は「数字を報告して終わり」の業務ではありません。
数字から会社の状態を読み解き、次の意思決定につなげることまでが重要になります。
CFOの主たる業務は、上記のみならず、経営企画や内部統制、M&Aの推進やCEOの相談相手など多岐にわたります。
以下の動画では、CFOの業務・役割について、ヒュープロCFOが詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
CFOになるには資格が必要?
CFOになるための必須資格はありません。
一方で、専門知識を客観的に示せる資格は、転職やキャリア形成において強みになります。
公認会計士・税理士・USCPAなどの資格が活かせるケース
代表的なのが、公認会計士や税理士、USCPAです。
公認会計士は会計・監査、税理士は税務、USCPAは国際的な会計実務など、それぞれの専門性をCFO業務に活かすことができまう。
特に公認会計士の場合、監査法人での経験を経て事業会社へ転職し、経営管理やIPO準備などの経験を広げるキャリアも考えられます。
ただし、会計の専門性だけでCFOを目指すのは十分というわけではなく、財務戦略や資金調達、経営判断など、専門領域の外へ経験を広げていくことも重要です。
MBAなどの資格・学位が活かせるケース
MBAでは、ファイナンスだけでなく経営戦略やマーケティング、組織・リーダーシップなどを体系的に学べぶことができます。
そのため、会計・財務の専門性に加えて経営視点を身につけたい場合には、選択肢の一つになります。
ただし、MBAもCFOになるための必須条件ではありません。
CFOになるために必要なスキル・経験【5選】
CFOを目指すなら、会計・財務の専門性だけを高めればよいわけではありません。
会社の数字を理解する力に加えて、事業を見る力、人を動かす力、経営を前に進める力が求められます。
また、CFOに求められる役割は企業によっても異なります。
上場企業では財務報告やガバナンスなどが重視される一方、ベンチャー企業では資金調達やIPO、経営全般への関与など、より幅広い役割を担うケースがあります。
そのため、自分が目指すCFO像から逆算して経験を積むことが重要です。
本記事では、CFOに必要な経験・スキルを6つに厳選して解説していきます。
- ① 財務・会計に関する専門知識
- ② 資金調達・M&Aなど、経営に関わる経験
- ③ ビジネスの「勘所」を押さえる力
- ④ 経営陣をまとめるコミュニケーション力
- ⑤ 組織を動かすマネジメント経験
① 財務・会計に関する専門知識
まず基本になるのが、財務諸表や会計、税務、財務管理などに関する知識です。
経理だけでなく、財務や管理会計まで経験を広げることで、企業のお金の流れをより多面的に捉えられるようになります。
② 資金調達・M&Aなど、経営に関わる経験
CFOは、会社に必要な資金をどのように確保し、どこに投資するのかを考える立場です。
銀行からの借入や出資による資金調達、資本政策に加えて、M&Aなど企業の成長に関わる意思決定にも携わります。
M&Aは財務・会計の知識だけでなく、事業性やリスクを見極める力も求められるため、責任者になる前から経験しておくことも重要です。
特に、M&AやIPOを積極的に行う企業のCFOを目指すのであれば、こうしたプロジェクトに関わる経験を早い段階から積んでおくと、CFOとしてのキャリアにつながりやすくなります。
③ ビジネスの「勘所」を押さえる力
CFOには、数字の変化だけを見るのではなく、「なぜこの数字になっているのか」を事業の視点から考える力が求められます。
営業やマーケティング、商品・サービスなど、財務以外の領域にも関心を持ち、事業全体を見ることが大切です。
④ 経営陣をまとめるコミュニケーション力
CFOは、CEOをはじめとする経営陣の「番頭」のような役割を担うことがあります。
経営陣それぞれの考えを理解し、情報を整理したうえで、会社としての意思決定につなげる力が必要です。
⑤ 組織を動かすマネジメント経験
CFOになると、自分自身が実務を担当するだけでなく、経理・財務などの組織を率いる立場になります。
また、自分の配下にいる優秀なエキスパートの力を引き出し、チームとして成果を出すことも重要です。
特にベンチャー企業では、CFOが財務だけでなく経営企画や管理部門全体など、幅広い領域を担うケースもあります。
一方、規模の大きな上場企業では、財務報告やガバナンス、資本市場との対話など、より専門性の高い役割が求められることもあります。
だからこそ、「何年経理や財務を経験したか」だけでなく、どの規模・フェーズの企業で、どこまで経営に近い経験を積んでいくかを大切にしましょう。
CFOになるためのキャリアパス
CFOへのキャリアパスは一つではありません。
代表的なのは、事業会社の経理・財務、公認会計士・監査法人、金融機関、コンサルティングファームなどから目指すルートです。
事業会社の経理・財務からCFOを目指す
経理・財務は、CFOを目指すうえで親和性の高いキャリアです。
経理からスタートした場合も、決算だけでなく管理会計、予算管理、財務、資金調達などへ業務範囲を広げていくことで、経営に近い経験を積めます。
「経理の専門性を深める」だけでなく、会社のお金をどう動かすかまで経験することがポイントです。
特に「経理経験はあるものの、財務や経営企画の経験がない」「ポストが埋まっていて昇進がなかなか見込めない」といった場合は、転職によってCFOに必要な経験を獲得する方法もあります。
公認会計士・監査法人からCFOを目指す
公認会計士は、会計・監査の専門性を活かしてCFOを目指せます。
監査法人で経験を積んだ後、事業会社へ転職し、経営管理やIPO、資金調達などの経験を加えていくルートです。
会計士としての専門性に、事業会社ならではの「経営の当事者として意思決定する経験」を加えることが重要になります。
▼ キャリアインタビュー「公認会計士の資格を活かしてCFOへ」
金融機関・コンサルティングファームからCFOを目指す
金融機関での資金調達や企業分析、コンサルティングファームでの経営支援などもCFOにつながる経験です。
ただし、金融やコンサルの専門性だけでなく、事業会社側で実際に意思決定や組織運営を担った経験が求められるケースもあります。
▼ キャリアインタビュー「金融・コンサル経験を活かしてCFOへ」
CFOになるには、会計・財務から経営へ経験を広げよう
CFOになるために、必須となる資格はありません。
公認会計士や税理士、USCPA、MBAなどは専門性を示すうえで役立ちますが、それ以上に重要なのが実務経験です。
会計・財務を土台として、資金調達やIPO、経営戦略、組織マネジメントなどへ経験を広げていきましょう。
現在の仕事だけでは経験できない領域がある場合は、社内異動や新しい業務への挑戦、転職も選択肢になります。
この記事を書いたライター

Hupro Magazine編集部 石田
株式会社ヒュープロにて、オウンドメディア「Hupro Magazine」のライティングを担当。専門性の高いテーマでもわかりやすく、実務に役立つ記事づくりを心がけています! 業界動向や転職市場のリアルを踏まえた情報発信を通じて、キャリア形成に役立つコンテンツをお届けします。士業・管理部門での転職をご検討の方は、業界特化型の転職エージェント「ヒュープロ」をぜひご活用ください。







