
30代・40代の経理人材が、これから描くべきキャリアパスとは何か。
そんな疑問について、管理部門専門転職エージェント「ヒュープロ」のキャリアアドバイザー・田村拓靖さんにインタビュー。市場価値を高めるキャリアの考え方や、AI時代におけるマネジメントの本質について迫ります。
▼ 前編インタビューはこちら
そうですね。
もちろん、お一人ひとりに置かれている環境や目指したいキャリアは異なります。
大枠としてキャリアアップを目指すのであれば、マネジメントを担い、組織のコアメンバーとして経営に近い立場で活躍していく、という方向性になると思います。
ポジションの例で言えば、経理マネージャーや経理部長、管理部長、CFO候補といったイメージですね。
ただ、重要なのは肩書きそのものではないと思っています。
まさにそうです。
現在の職場で定型的なオペレーション業務を中心に行っているのであれば、より上流の「経営企画」や「判断を求められる仕事」へ、いかに早く移行できるかが勝負になってきます。
そのためには、前編でもお話ししたように、自分の担当業務だけを見るのではなく、「会社全体にとって何が最適か」「組織としてどうあるべきか」を考える視点、いわばマクロなマインドセットが求められてきます。
そうした視座を持ちながら経験を積んでいくことが、結果的に市場価値の高いキャリアにつながっていくのだと思います。
そうなんです。
理屈として「条件面だけで転職を決めるのはリスクがある」というのは、ある意味あたり前のことかもしれません。
ただ、実際にはご家庭の事情やライフステージがありますし、育児や介護といった切実な課題に向き合っていると、どうしても中長期的な視点だけで判断するのは難しいですよね。
私自身、多くの方の転職支援をする中で、日々の生活と仕事を両立することの大変さを痛感しています。
だからこそ、転職を考える際には少しだけ立ち止まって、「この選択は5年後、10年後の自分にとってどうなのか」という視点も持っていただきたいんです。
極端な例ですが、ご家庭の事情から「フルリモート」をマストの条件として、専門性があまり高まらない定型業務を5年間続けたとしましょう。
その後、生活が落ち着いて「もう一度キャリアを築きたい」「年収を上げたい」と再び転職市場に出た時、ご自身のスキルがアップデートされていないと、希望する求人に手が届かなくなってしまう可能性があるんです。
そうなんです。
市場価値が高まっていないがゆえに、いざという時に次の選択肢がグッと狭まってしまう、というリスクもゼロではないんですよね。
はい。
とはいえ、やっぱり求職者の方の状況として「そこまで考える余裕が今はない」というケースも当然あるかと思います。
たとえば、お子さんが生まれたばかりで、日々の生活で手一杯という方もどうしてもいらっしゃるかと思います。
そういう方に対しては、やはりご本人の今の要望を最優先にしてまずは求人をお探しします。
中長期的な視点での選択肢もしっかりご提示した上で、キャリアとライフのバランスを見ながら、「今のその人にとってのベスト」を一緒に探していく。
そんなパートナーとして私たちをうまく頼っていただけたら嬉しいですね。
そうですね。
特に、管理部長といったポジションを目指すのであれば、マネジメントは避けて通れないテーマになってきます。
マネジメントには、大きく2つの側面があると思っています。「組織のマネジメント」と「業務のマネジメント」ですね。
「組織のマネジメント」はイメージしやすいかと思いますが、メンバーの評価や育成、指導といったレイヤーです。
そして、「業務のマネジメント」の方が、AI時代の中で見直していく必要があると思うんです。
AIを使って業務を効率化すること自体は、今後スタッフレベルでも当たり前になっていくと思います。
ただ、経理業務というのは必ずしも正解が一つではありません。
例えば、会計処理や業務フローについても、「これまで会社として採用してきたやり方」と、「AIが提案するやり方」が異なるケースは十分あり得ます。
その時に、「AIがそう言っているから」で進めるのではなく、その変更が本当に会社にとって最適なのか、過去の経緯や事業の実態も踏まえて判断する必要があります。
だからこそマネージャー層に求められるのは、スタッフがAIを活用して処理した内容に対して、「ハルシネーションが起きていないか」「誤った情報が混ざっていないか」をチェックすることはもちろん、その上で「この情報をどう活用するべきか」「自社としてどの選択を取るべきか」を判断する力なんです。
そうなんです。
なので、マネージャー層は、スタッフがAI活用して上がってきた処理内容に対して、「この情報をどう扱うべきか」を最終的に判断する力が、これまで以上に問われると思うんです。
そして何より重要なのは、AIには絶対にできない「判断を下し、責任を取る」という役割を担えるかどうかです。
AIの特徴やリスクを深く理解した上で、自らの意思で判断し、その結果にしっかりと責任を持てる。
そうしたスタンスを持てる方が、これからのAI時代に企業から求められるマネージャーなのだと思います。
管理部門の本質的な役割って、「経営と現場の間を繋ぐこと」だと思うんですよね。
経営陣が目指している方向性と、現場で起きているリアルな状況。
その間には、どうしてもギャップが生まれることがあります。
このギャップを埋めるために、「コーポレートとして今、何をしなくてはいけないのか」を主体的に考え、経理の実務レベルに落とし込んで実行していく力が、本当に大事なのではないかと思っています。
そうです。
AIがそれっぽい改善案を出したとしても、「実際に人を巻き込んで、組織を動かし、チームとして最後まで泥臭くやりきる」こと。
これは人間であるリーダーにしかできない領域ですから。
管理部門の方々を見ていると、「自分が前に出て目立ちたい!」というよりは、いい意味で裏方として「本質的に事業のため、会社のために何ができるか」をじっくり考えたいという思考を持っている方が多い印象です。
そういう利他的なマインドと、当事者意識を併せ持ち「会社を良くしていこう」と思える人こそ、これからの時代に大きく活躍できるポテンシャルを秘めていると思います。
ご自身のキャリアや、仕事に対する本当の考え方を、誰か第三者にじっくり話して整理する機会って、普通に生きていたらなかなかないですよね。
まずはざっくばらんに、一緒にキャリアを整理させてください。
「世間一般のキャリア論」に当てはめるのではなく、「ご自身にとって、本当にふさわしいキャリアや出世の形は何なのか」を一緒に考えたいと思っています。
「今すぐ転職した方がいい」のか、それとも「今の会社に残って上流業務に挑戦した方がいい」のか。
フラットにご相談に乗らせていただきますので、ぜひお気軽に頼っていただければと思います!
▼ 前編インタビューはこちら
「今の経験でキャリアアップできるのか不安」「家庭との両立を考えながら転職したい」
そんなお一人ひとりの状況に合わせて、中長期のキャリア設計まで一緒に考えていきます。お気軽にご相談ください。
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