経理が人手不足になるのはなぜ? 代表的な原因や解決方法を解説

「経理業務の仕事が回っていない」「経理ができる人材が不足している」という悩みを抱える企業は、昨今特に多くなってきています。そこで本記事では、経理の人手不足が起こる原因やそれによって企業に起こり得る影響、さらに人手不足をどう解消するかについても解説していきます。

経理が人手不足になる理由とは?
多くの企業で経理担当者が不足している要因として、大きく分けて以下の4点が挙げられます。
・業務経験者が市場に少ない
・企業における採用優先度が低い
・経理業務の効率化が進んでいない
それぞれ解説していきます。
慢性的な労働人口の減少
人手不足が深刻化している背景の一つとして、日本全体で進む少子高齢化による労働人口の減少があります。生産年齢人口が減少する中で、多くの企業が人材確保に苦戦しており、経理職も例外ではありません。
そんな中で経理業務はどの企業にも必要ので、対応できる人がいなかったり退職してしまうとなると、採用しなくてはなりません。
このように、経理の採用ニーズは高い状態が続いていながらも労働人口は減少傾向となっているのが、経理の人手不足を引き起こす一因となっています。
業務経験者が市場に少ない
経理業務の経験者が市場に少ないのも、経理の人手不足の要因です。
経理の経験者が少ない理由の一つとして、簿記や会計の知識が必要な専門性の高い職種であることが挙げられます。企業の規模感や業種によっても求められるスキルレベルが変わってくるため、その企業にマッチした経験者というのはより一層見つけづらいでしょう。
また、総合職や営業部に比べて経理職に配属される人員数が少ないのも、経験者が少ない一因といえます。経理職は企業全体の5~10%程度の人数で構成されていることがほとんどなので、自ずと経理経験者の数も少なくなってしまうのです。
経験者が少ない一方で、経理職への就業を希望する未経験者も一定数いらっしゃいます。しかし業務の専門性の高さを背景に、未経験の人材を実務ができるように教育するのも時間がかかるため、経験者に採用ニーズが固まる傾向にあります。
そのため、経験者が十分に市場にいない限りは、経理の人手不足は根本的には解決しづらいのです。
企業における採用優先度が低い
経理は企業運営に欠かせない職種である一方で、営業のように直接売上を生み出す部門(直接部門)ではありません。そのため、事業拡大に直結する職種の採用が優先され、経理の採用が後回しになるケースも少なくありません。
その結果、欠員が発生しても十分な採用活動を行えず、経理職の業務負担が増加するという悪循環に陥ることがあります。採用の優先順位が低いことが、慢性的な経理の人手不足を招く要因の一つとなっているのです。
経理業務の効率化が進んでいない
経理業務に必要以上の工数がかかってしまい、結果的に人手不足になってしまっているという企業も少なくありません。
本来であれば、近年のAIや会計ソフトの進歩により経理は大幅に効率化できる業務となりましたが、採用と同じく業務効率化に関しても直接部門の方が優先度が高い傾向にあります。そのため、経理の業務量が高止まりする中で必要な従業員数を確保できず、人手不足になってしまうことになりかねないのです。
経理の人手不足は企業にどんな影響がある?
経理の人手不足は、経理業務はもちろんそれ以外の部署や企業全体にも影響を及ぼします。ここでは、具体的にどのような影響があるのかについて解説します。
経理担当者の負担が大きい
最も分かりやすい影響として、経理担当者一人あたりの業務負担が大きくなってしまうことが挙げられます。経理は繁忙期がはっきりしておりその時期の業務量は特に膨大なので、人手不足の中で繁忙期を迎えてしまうと、場合によっては営業部以上のハードワークをせざるを得ません。
業務負荷が高い状態が続くと、モチベーションの低下や離職につながる恐れもあります。人手不足がさらなる人手不足を招く悪循環に陥るケースも少なくありません。
経理業務の質が落ちる
業務量が多くなることでダブルチェックや再確認の優先度が下がってしまい、形骸化してしまう可能性があります。これにより、本来ミスがあってはならない経理業務にミスが発生するリスクが高まり、誤った数値の経営資料の作成や、業務の遅延に繋がってしまいます。
また、ミスだけではなく不正を見過ごしてしまうリスクも高まってしまうため、企業の社会的信頼が低下してしまいかねません。このように、経理の人手不足が会社全体に悪影響を与えることも十分にあり得るのです。
決算の締めが遅れる
月次決算と年次決算を期日内に確定させるのは、企業が適切な経営判断をするために非常に重要な経理業務です。
そんな決算業務が人手不足を背景に遅延してしまうと、経営のどこに課題があり、どこを伸ばすべきなのかについての把握が遅れ、投資や課題改善アクションが後手後手に回ってしまいます。それにより、会社が成長する機会を逃したり損失を大きくしてしまうリスクも発生してしまうでしょう。
経理の人材不足を解消するには?
経理の人手不足を解消する代表的な手段として、下記の4つが挙げられます。
・経理人材を育成する
・経理業務を効率化する
・経理業務を外注する
経理人材を採用する
短期的に人手を充足させるなら、経理人材を採用するのが理想です。特に、月次決算や年次決算の経験を持つ即戦力人材を採用できれば、現場の負担を大きく軽減できるでしょう。
一方で、経理経験者は転職市場でも希少性が高く、求人を出すだけでは応募が集まりにくいケースも少なくありません。そのため、転職エージェントやスカウト、求人媒体など複数の採用手法を活用し、自社に合った人材へ効率的にアプローチすることが重要です。
経理人材を育成する
採用に費用がかけられない、もしくは経験者を満足に採用できないという場合は、社内の人材を育成することで人手不足を解消できるケースもあります。
本来、経理業務は専門性が高いため、未経験者への教育は時間がかかってしまうのが一般的です。ただ社内の人材であれば、会社の事業内容や売上の仕組み・社内の組織体制などを把握しているため、経理業務以外の研修を行う必要が無くなります。
ある程度のリソースを教育に割けることが前提とはなりますが、人手不足を直接的に解消する手段といえるでしょう。
経理業務を効率化する
先述したように、優先度の関係でそもそも経理人材を増やすという判断をしづらいという企業も少なくありません。そのような場合、経理業務の効率化を図り、経理担当者にかかる業務負担を軽減するのも選択肢の一つです。
経理業務の中でも仕訳入力・請求書処理・経費精算といった定型業務は、会計ソフトや経理AIエージェント、RPAで代替可能な部分が多く、業務負担を大幅に減らすことができるでしょう。
また、業務フローの見直しやペーパーレス化を進めることで、さらなる生産性向上も期待できます。人材を増やすだけでなく、業務量を減らす視点を持つことも、人手不足解消には欠かせません。
経理業務を外注する
経理人材の増員や業務効率化ができない場合は、経理業務を外部へ委託という手段も検討しましょう。記帳代行や給与計算、経費精算などの定型業務をアウトソーシングすることで、社内の経理担当者は決算や経営管理など、より重要な業務に集中できるようになります。
ただし、外注できる業務には限りがあるため、自社で対応すべき業務との切り分けが重要です。また、自社リソースを使うのと同等のコストを支払うことになるので、その点も考慮する必要があります。
経理人材を採用するには?
経理人材の採用は、求人を掲載するだけで成功するとは限りません。特に実務経験者は転職市場でも希少性が高く、多くの企業が採用に苦戦しています。そのため、自社の採用条件や採用手法を見直し、市場の状況に合わせた採用活動を行うことが重要です。ここでは、経理人材を採用するために押さえておきたいポイントをご紹介します。
働き方や待遇を見直す
経理人材を採用するためには、給与や賞与だけでなく、働き方を含めた労働条件を見直すことが重要です。近年は、リモートワークやフレックスタイム制度、残業時間の少なさなどを重視して転職先を選ぶ求職者も増えています。
また、経理経験者は複数の企業からオファーを受けるケースも多いため、市場水準に見合った給与や福利厚生を整えることも欠かせません。求職者に選ばれる企業になるためには、仕事内容だけでなく、働きやすい環境づくりにも取り組むことが重要です。
求人媒体やスカウトを活用する
経理人材を採用する方法としては、求人媒体への掲載やダイレクトリクルーティング(スカウト)の活用も挙げられます。求人媒体は幅広い求職者へ募集を届けられるため、母集団形成に向いています。一方、スカウトは自社が求める人材へ直接アプローチできる点が特徴です。
ただし、経理経験者は転職市場でも人気が高く、求人媒体では応募が集まらなかったり、スカウトへの返信率が伸びなかったりするケースも少なくありません。そのため、採用ターゲットや採用難易度に応じて手法を使い分けることが重要です。
人材紹介エージェントを活用する
経理経験者を効率的に採用したい場合は、人材紹介エージェントの活用がおすすめです。エージェントは、企業の採用要件に合った候補者を紹介してくれるため、求人媒体のように応募を待つだけでは出会えない人材へアプローチできます。
また、候補者との日程調整や条件交渉、転職意向の確認などもサポートしてくれるため、採用担当者の工数を削減できる点もメリットです。特に経理や管理部門に特化したエージェントであれば、職種への理解が深く、よりマッチ度の高い人材を紹介してもらえる可能性があります。採用競争が激しい経理人材だからこそ、専門性の高いエージェントを活用することが採用成功への近道と言えるでしょう。
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まとめ
今回は、経理が人手不足になる要因とそれによる影響、そして解決策について解説しました。
経理が人手不足の企業は決して少なくありませんが、業務遂行に支障をきたすレベルになってしまうと会社全体に悪影響を与えてしまうリスクがあります。
そうなる前に、なにかしら人手不足を解消する手段を打つのがオススメです。特に短期的に人手不足を解消したい場合は人材紹介エージェントを活用しましょう。当社の運営するヒュープロは経理・会計に専門特化した転職エージェントですので、経験豊富な経理人材を多数ご紹介可能です。
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この記事を書いたライター

Hupro Magazine編集部 川辺
株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のディレクション、セミナーの運営を担当。年間500本以上の記事を監修しています。アドバイザーとして多くのご登録者様から伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!







