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勘定科目の5つの種類とは?経理実務で知っておくべき重要ポイント

吉田武夫2020.05.20
勘定科目

経理事務の仕事の基本として「会計ソフトに仕訳を入力していくこと」がありますが、これを正しく行うためには勘定科目の種類について理解しておくことが大切です。今回は、仕訳で使う5つの勘定科目について解説します。
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勘定科目とは何か

経理の重要な仕事の一つに、会社で発生した取引一つ一つを「仕訳」という形で処理していくことがあります。

仕訳とは、現実の取引を会計の言葉で表現することを言います。
会社は日々たくさんの取引を行いますので、そのすべてを一般的な日本語で記録していては大変です。そこで、仕訳という独特の言語表現によって記録集計を行うというわけです。

このとき、「どんな取引内容だったか」を短い言葉で表したものを勘定科目といいます。

例えば、お客さんに現金で商品の100万円販売を行ったときには、「現金」と「売上高」という勘定科目を使って、「現金/売上高 100万円」というように会計仕訳を会計ソフトに入力します。

勘定科目には5つの種類がある

勘定科目は、その性質に応じて「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5種類に分類できます。

なぜこの5種類に分かれているのかというと、会社は経営状況を報告するために、貸借対照表と損益計算書という2つの書類を作成するためです。

貸借対照表を作るための3つの勘定科目

貸借対照表は、一定時点における会社の財政状態を表示する書類です。
簡単に言えば、会社に一体いくらのお金が残っているのかを知るための書類です。

5種類の勘定科目のうち、「資産」「負債」「純資産」の3つを使って、貸借対照表を作成します。

例えば、現金という勘定科目は資産の項目に、借入金という勘定科目は負債の項目に含めます。
会社が過去に積み上げてきた利益は、繰越利益剰余金という勘定科目を使いますが、これは純資産に分類されます。

損益計算書を作るための2つの勘定科目

損益計算書は、一定期間中の経営成績を表示する書類です。
こちらも簡単に言えば、会社がもうかっているのか、もうかっていないのかを知るための書類です。

損益計算書では、5種類の勘定科目のうち、「収益」「費用」の2つを使って作成します。

例えば、売上高は収益、接待交際費や仕入高は費用といったように分類されています。
収益の金額から費用の金額を差し引きすると、当期の利益の金額を計算することができます。

このように、貸借対照表や損益計算書を正しく作成するためには、あらかじめ勘定科目を5つの種類に分けておく必要があるのです。
以下では、それぞれの勘定科目の種類について、具体的な内容を理解しておきましょう。

資産とは

資産とは、現時点で会社が所有しているプラスの財産のことをいいます。

現金や預金、将来お金がもらえる権利や手形、社用車や建物・土地などが資産に該当します。

資産に分類される勘定科目の例としては、以下のようなものがあります。
・現金
・売掛金
・普通預金
・当座預金
・受取手形
・立替金
・商品
・備品
・車両運搬具
・建物
・土地

資産に属する項目は、基本的には「それを手に入れるために支払ったお金(購入代金)」の金額で表示します。

例えば、車両運搬具(自動車)を購入するために、車両本体価格として200万円かかり、その他費用として10万円を支払ったなら、「210万円の資産」として表示します。
ただし、資産の中には取引時の金額をそのまま計上できないものがあることに注意が必要です。

次に「固定資産」と呼ばれる資産です。固定資産は長期間にわたって使用する資産ですので、当然ながら時間が経つにしたがって価値が下がっていきます。
そのため、価値が下がった分は費用として計上し、計上した分だけ資産の価値を減らす必要があります。

こうした処理のことを減価償却費の計上と呼びます。

負債とは

負債とは現時点で会社が持っているマイナスの財産のことです。
銀行から借りているお金や、振り出した支払手形、仕入先に払わないといけない代金(買掛金)などが負債です。

負債に属する勘定科目の例としては、以下のようなものがあります。
・買掛金
・借入金
・支払手形
・前受金
・社債

負債の中には「引当金」のように、やや特殊なものもあります。

例えば、従業員が退職した際に会社が支払う退職金をあらかじめ準備しておくためのお金は「退職給付引当金」です。

退職金は従業員の勤務年数が長いほど多額になりますから、いざ退職金を支払うときのために退職金用のお金を貯めておくのです。これを負債として処理します。
実務では該当期間に計上する退職給付引当金を計算し、退職給付費用と合わせて負債・費用計上します。

勘定科目の種類

純資産とは

純資産とは現時点での資産から負債を差し引いたもののことです。
資産が100万円あって、負債が60万円あったとしたら、純資産は40万円です。

会社事業の元手となっているお金や、利益を社内に置いておくためのお金などが純資産に該当します。

純資産に分類される勘定科目の例としては、以下のようなものがあります。
・資本金
・資本準備金
・自己株式
・繰越利益剰余金
・利益準備金

利益準備金とは、会社が使わずにとってある利益のうち、法律で積み立てなければならないと定められているお金のことです。

収益とは

収益とは、会社が事業活動として提供した結果得たもののことです。
商品やサービスの売上、受け取った利息や配当金、手数料などが収益に該当します。

収益に属する勘定科目の例としては以下のようなものがあります。
・売上高
・受取利息
・受取手数料
・受取配当金
・雑収入

収益に属する勘定科目の処理で、実務において注意が必要なのは、売上を計上するタイミングです。
一言に「売り上げた」と言っても取引のどの時点で経理上の「売上」として計上するかが問題となります。

お客から代金をもらった時なのか、物を受け渡した時なのか、サービスが完了した時点なのか、業種によっても様々なタイミングがあります。
会社ごとに売上計上する基準が定められていますから、基準に沿って正しく処理を行うようにしましょう。

費用とは

費用とは会社が収益を上げるためにかかったお金のことです。
商品の仕入高、従業員の給与や交通費・福利厚生費、支払った保険や水道光熱費など、会社が事業活動を継続していくために内外に支払ったお金が該当します。

費用に属する勘定科目には、以下のようなものがあります。
・仕入高
・外注費
・給与
・交通費
・福利厚生費
・保険料
・水道光熱費
・減価償却費
・法定福利費
・交際費
・広告宣伝費
・地代家賃

費用の計上で注意が必要なのは、その支出が本当に費用として処理して良い支出なのかということです。
税金は売上から経費を引いた金額に税率をかけて計算するので、経費が増えるほど税金の金額は少なくなります。

しかし、当然ながらなんでもかんでも経費として計上できるわけではありません
費用として認められるものはあくまで売り上げに結び付く出費だけです。
経費の処理が正しく行われているかは、税務調査などでも厳しくチェックされる項目ですから、出費の経緯をたどって正しく処理するようにしましょう。

まとめ

今回は、勘定科目の種類について解説しました。勘定科目に関する知識は、経理実務を行っていく上での全ての基礎になります。資産・負債・純資産・収益・費用それぞれの意味について押さえた上で、実務上の注意点を理解しておきましょう。

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カテゴリ:コラム・学び

この記事を書いたライター

吉田武夫
税理士試験科目合格者/税理士事務所と企業経理の就業経験がトータルで10年

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