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労務管理とは?具体的な業務内容を解説します

HUPRO 編集部2020.02.13

「労務管理はとても重要」「企業にとって欠かせない労務管理」こうした文言はよく見ますが、具体的に労務管理とは何を示しているのでしょうか。本記事では労務管理の具体的な業務内容について解説します。

労務管理の目的について

労務管理の目的は、従業員が、最高のパフォーマンスを機能を発揮しうるように環境条件を整備することです。つまり、良く言われる「人材活用」のためには労務管理が不可欠となります。
この概念だけだと漠然としていますが、従業員が企業や組織で働くうえで、経営側が整備しなければならない労務管理については、大きく分けて2つの目的があります。

(1)生産性の向上

企業者や組織は必然的に生産性を上げるために、働く人の意欲を高めていく必要があります。生産性を向上させるためには、従業員の給与・賞与や各種手当など、納得感のある報酬制度をはじめとした人事制度や「働く環境」の整備が必須です。

(2)コンプライアンス順守とリスク回避

昨今「働き方改革」の実施において、企業や組織は労働者の労働環境を適切に管理する必要があります。例えば労働時間や有給休暇の管理などです。
従業員の労働条件や待遇については、適法の範囲内で企業や組織で決める必要があります。労働に関する法律はざっとあげても、労働基準法・労働安全衛生法・男女雇用機会均等法・育児介護休業法・パートタイム労働法など多岐にわたるのです。
こうした法令(コンプライアンス)の順守のためにも労務管理は行われます。

労務管理の具体的な内容について

従業員を雇用した場合は、必ず労務管理を行う必要があります。労務管理を行うにあたって、雇用契約を結び、労働条件を契約書という形で明らかにしておきましょう。

具体的には以下のような項目が労務管理となります。

(1)雇用期間

雇用される日はいつで、期間は有期労働契約なのか、期間の定めのない労働契約なのか、契約期間がある場合は更新についてはどうなるのかといった事を定めます。

(2)労働時間

労働時間の管理については、大企業では2019年4月から、中小企業においても2020年4月より、働き方改革による労働安全衛生法(安衛法)が改正で義務化されます。

労働時間管理の義務化自体には罰則規定はありません。しかし賃金台帳に労働時間の管理事項を記入していない場合や、故意に賃金台帳に虚偽の労働時間数を記入した場合は、同法第120条に基づき、30万円以下の罰金に処されると明文化されています。

参考:労働時間の管理が義務化されます

また、時間外勤務の特別条項の変更もあり、場合によっては今までのやり方を変更する必要もあります。
参考:働き方改革で時間外労働の特別条項が変わる!

働き方改革は現在その渦中にあり、企業側の実施状況によってはその運用方針が変更になったり、新たな罰則規定が設けられることもあるかもしれませんので、注意が必要です。

(3)給与・賞与・手当

労働の対価である給与・賞与や各種手当についての管理も労務管理の一環です。給与の締日までに従業員の労働時間を確認し、源泉徴収を行い、給与支払日に確実に振り込むなどといった実務面のほか、職位ごとの給与や手当内容なども具体的に定める必要があります。
また、従業員のマイナンバー取得の上、機密として管理することも必要です。

(4)社会保険・労働保険の手続

社員の入社・退社に伴い、健康保険・厚生年金といった社会保険、雇用保険や労災保険といった労働保険の手続きを滞りなく行います。

(5)ライフイベントに関する手続き

従業員の異動や引っ越しに伴う諸手続きや、産休・育休に関する各種届出、被扶養者の増減など、公的に届出を行い、給与にも反映すべき事柄が様々にあります

(5)安全衛生管理

従業員の健康診断や、労働時間管理にもつながる内容です。労働環境を適切なものにするためには安全衛生管理が欠かせません。

労務管理担当者に求められること

労務管理担当者と一言で言っても、その役割は多岐にわたることがお分かりいただけたでしょうか。他にも会社によってはパワハラやセクハラなどのハラスメント対応を行ったり、休職や復職にともなうフォローなどを含めたカウンセラー的な役割が求められることもあります。

労務管理担当者としてすべきことは多くありますが、まず基本として押さえていきたいのが、以下の3点です。

(1)働き方改革関連法案をはじめとした法令や規則の理解

労働基準法・労働安全衛生法・36協定をはじめとした労使協定にまつわる決まり事など、労務管理は法改正に合わせた対応が必須の業務です。担当者は渦中の「働き方改革」関連法案をはじめとした法令に関する知識を常にアップデートし、適法に運用すべく自社の業務に落とし込む必要があります。

(2)個人情報の厳密な管理とセキュリティ対策

労務管理で扱うのはマイナンバーをはじめとした個人情報や、会社の機密情報など、漏えいしてはならない情報がほとんどです。
また、最近は紙より電子データでこうした情報を扱うため、インターネット利用などを通じて外部へ流出という事件も多く起こっています。
労務管理に関する情報は、セキュリティを強化したシステムやスタンドアロン環境を構築するなど、流出を防ぐ最大限の対策を構築していきましょう。

(3)労働環境を改善するという意識

労務管理という業務はともすれば「管理」方面に目がいきがちですが、元々は従業員に気持ち良く働いてもらうために行うもの。経営サイドと従業員サイドの板挟みになりがちですが、労働環境を改善するという目的意識をもって、取り組むことが大事です。

カテゴリ:コラム・学び

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